職業訓練を申し込む時、どちらのコースが良いか迷うことがあります。
「経理も学びたいし、医療事務も捨てがたい」
「CADオペレータも興味があるが、WEB制作も気になる」
職業訓練を連続で受けたり、再受講したりすることは可能でしょうか?
原則として、職業訓練は連続受講できません。例外は1つだけです。
この記事では、職業訓練の連続受講・再受講のルールについて、分かりやすく解説します。
■目次
職業訓練の連続受講・再受講のルール【結論】
- 連続受講できるのは「求職者支援訓練の基礎コース→実践コース」のみ
- それ以外は訓練修了日より1年間空ける必要がある
- 同じ種類の訓練は1年空けても すぐには受講できない
連続受講できるパターン(唯一の例外)
連続受講できるのは、求職者支援訓練のみです。
連続受講可能なパターン:
基礎コース → 実践コース
ただし、このパターンでも実際にはハローワークで必要性が認められなければ受講できません。
基礎コース・実践コースとは?
基礎コース:
- 主にパソコン初心者向けのコース
- エクセルとワードが中心
- 訓練期間:2~4ヶ月程度
実践コース:
- 特定の職種に必要な実践的なスキルを学ぶ
- 簿記、医療事務、WEBデザイン、プログラミングなど
- 訓練期間:3~6ヶ月程度
連続受講するのであれば、パソコンを学んだ後、簿記や医療事務等の実践的なコースの職業訓練となります。
求職者支援訓練とは?
- 求職者支援訓練とは、雇用保険(失業保険)を受けられない方が主な対象者です。
- 公共職業訓練とは、雇用保険(失業保険)を受けられる方が主な対象者です。
連続受講できないパターン(ほとんどのケース)
上記パターン以外は、1年間、間を空ける必要があります。
連続受講できないパターン:
- 公共職業訓練 → 公共職業訓練
- 公共職業訓練 → 求職者支援訓練
- 求職者支援訓練(実践コース) → 公共職業訓練
- 求職者支援訓練(実践コース) → 求職者支援訓練(実践コース)
1年間空けるとは?具体例
例えば4月1日~6月30日までの3ヶ月コースを受講したとしましょう。
終了した日から1年間受講できないわけですから、次の訓練を受講できる日は翌年の7月1日以降の開講分からとなります。
図で見ると以下のようになります:

1年間、間が空けば再度受講することが可能です。
再受講する場合の注意点
同じ種類の訓練は受講できない
「パソコンの職業訓練に通ったが、もう一度パソコンの訓練を受講したい」というのは、1年空いていても原則としてすぐには受講できません。
ハローワークで「既に同じスキルを学んでいるのに、なぜもう一度必要なのか」と判断されるためです。
再受講が認められやすいケース:
- パソコンのスキルが身についたので、次は簿記を学びたい
- WEBデザインを学んだから、次はWEBプログラミングを学んで幅を広げたい
- CADの訓練に通ったが就職できなかったので、ビル設備の訓練に通いたい
- 職業訓練で学んだスキルを更に応用したい
- もっと関連したスキルを学びたい
- 異なる職業訓練を再度受講したい
公共職業訓練を再受講するには雇用保険加入期間が必要
公共職業訓練を再受講する場合、現実的には厳しいのではないかと思います。
公共職業訓練(雇用保険受給者向け)を受講する場合、メリットがあるのはハローワークから受講指示を受けて通う場合です。
受講指示の詳しい内容は 職業訓練の受講指示・受講推薦・支援指示とは?違いと給付の扱い をご覧ください。
受講指示を受けて通う場合、失業保険、交通費、受講手当(2万円)の支給を受けながら、さらに失業保険の延長等のメリットがあります。
ですが受講指示を受けるには、失業保険(雇用保険)の受給資格が必要です。
受給資格:
- 離職から過去2年間の間に、通算して12ヶ月以上の雇用保険加入期間があること
- ※会社都合で退職した場合は過去1年間の間に、通算して6ヶ月以上の雇用保険加入期間があれば可能
そのため、実際は1年以上働いていないと失業保険は受けられません。
図で見ると以下のようになります:

再受講時に受け取れるお金
公共職業訓練を再受講する場合
雇用保険の受給資格があり、受講指示を受けられる場合:
- 失業保険(訓練終了まで延長)
- 交通費(上限月42,500円)
※交通費の上限額は通所距離や地域により異なり、ハローワークの算定によって決まります。
- 受講手当(最大2万円)
求職者支援訓練を再受講する場合
もちろん失業保険(雇用保険)を受給できない方向けの求職者支援訓練も受講可能です。
その場合失業保険ではなく、要件を満たせば「職業訓練受講給付金」を受けながら訓練に通うことができます。
職業訓練受講給付金:
- 月10万円の給付金
- 交通費(上限月42,500円)
ただし、給付金を受け取るには、必要な要件(世帯収入、貯蓄など)を満たしている必要があります。
※求職者支援訓練の制度等については、以下をご確認ください。
・ 求職者支援制度とは
・ 職業訓練受講給付金 10万円の支給要件
よくある質問(FAQ)
職業訓練は何回まで受講できますか?
回数制限はありません。ただし、1年間の間隔を空ける必要があり、同じ種類の訓練は連続して受講できません。また、ハローワークで受講の必要性が認められることが前提です。
職業訓練を連続で受講できるのはどのパターンですか?
求職者支援訓練の「基礎コース→実践コース」のみ連続受講が可能です。公共職業訓練や、求職者支援訓練の実践コース同士は連続受講できません。
1年以内に別の職業訓練を受けたい場合はどうすればいいですか?
原則として1年間空ける必要がありますが、求職者支援訓練の基礎コースから実践コースへの連続受講のみ例外的に可能です。それ以外のパターンでは、訓練修了日から1年間待つ必要があります。
パソコンの訓練を受けた後、もう一度パソコンの訓練を受けられますか?
1年空けても、同じ種類の訓練はすぐには受講できません。ハローワークで「既に同じスキルを学んでいる」と判断されるためです。異なる分野の訓練を選ぶことをおすすめします。
連続受講した場合、給付金はどうなりますか?
求職者支援訓練を連続受講する場合、要件を満たしていれば職業訓練受講給付金(月10万円+交通費)を引き続き受給できます。ただし、訓練期間に上限があります(基礎コースと実践コースを合わせて最大12か月分)。
公共職業訓練を2回目に受講する場合、失業保険は延長されますか?
受講指示を受けられれば、2回目でも失業保険は訓練終了まで延長されます。ただし、雇用保険の受給資格(離職前2年間で12ヶ月以上の加入期間)が必要です。
まとめ
職業訓練の連続受講・再受講のルール:
- 連続受講できるのは「求職者支援訓練の基礎コース→実践コース」のみ
- それ以外は1年間空ける必要がある
- 同じ種類の訓練は1年空けてもすぐには受講できない
- 回数制限はないが、ハローワークで必要性が認められることが前提
- 公共職業訓練の再受講には雇用保険の受給資格が必要
職業訓練は、必要な知識や技術を学ぶところです。学歴や職歴には残念ながらなりません。
本来であれば、その仕事を通じて経験やスキルを身につけられれば一番良いことなのかもしれません。
ですが、新しい仕事に就く場合は、総じて実務経験や資格が必要です。そのためには職業訓練という選択肢も良いのかもしれません。
スキルアップのために職業訓練を活用する際は、1年間の間隔ルールを理解した上で、計画的に受講しましょう。
迷ったらハローワークに相談を
職業訓練の連続受講・再受講については、ハローワークの判断が重要になります。
ハローワークに相談すべきケース:
- 自分が連続受講できるかどうか確認したい
- 同じ分野の訓練を再受講できるか知りたい
- 1年以内に別の訓練を受けたい
- 受講指示を受けられるか確認したい
- 給付金の要件を満たしているか確認したい
ハローワークで職業相談を受けることで、あなたの状況に合わせた最適なアドバイスがもらえます。
訓練の必要性が認められるかどうかは、あなたの就職活動の状況や希望する職種、これまでの経歴などを総合的に判断されます。
迷ったらまずはハローワークに相談してみましょう。