「プログラミングやAIを本気で学びたい。でも仕事を続けながらだと時間が足りない」
「会社を辞めてまで挑戦するのはリスクが高すぎる」
このジレンマを解決する制度として、2024年10月から教育訓練休暇給付金が始まりました。
この制度を使うと、会社に在籍したまま学習のための休暇を取り、その期間の生活費として給付金を受け取れる可能性があります。
ただし、内容をきちんと理解せずに使おうとすると、「思っていたのと違った」と感じやすい制度でもあります。特に給付を受けられる期間や休暇中にかかるお金は、事前に知っておくことが大切です。
■目次
教育訓練休暇給付金とは?(制度の正体)
教育訓練休暇給付金は、厚生労働省が管轄する雇用保険の給付制度です。
従来の教育訓練給付金(受講料の一部を補助する制度)とは異なり、教育訓練のために仕事を休む期間の生活費を支援することを目的に作られました。
- 退職せず、在職のまま使える制度
- 会社に教育訓練休暇制度があることが前提
- 給付額の考え方は失業保険(基本手当)と同じ
誰が使える?受給条件の整理
次の3つすべてを満たす必要があります。
① 雇用保険の被保険者期間が5年以上
転職している場合は、通算されるかどうかをハローワークで確認しておきましょう。
② 会社が教育訓練休暇を認めている
就業規則に規定がある、または会社が制度を整える必要があります。本人の希望だけで取得できる制度ではありません。
③ 厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講
専門実践教育訓練や特定一般教育訓練など、教育訓練給付金の対象となる講座が該当します。
給付金はいくら?どれくらいの期間?休暇中のお金の話
ここは、多くの人が一番気になるところです。「休暇中の収入と支出がどうなるか」を具体的に見ていきます。
給付額の目安
直近6か月の賃金(賞与を除く)をもとに計算された賃金日額に、50〜80%の給付率を掛けて支給されます。
- 月収35万円の場合:給付金は月18万〜22万円前後
- 給付金は非課税(所得税・住民税はかかりません)
どれくらいの期間もらえる?
給付を受けられる期間は、最長で1年間(365日)です。
- 1回の教育訓練休暇につき、最大1年まで
- 数年にわたって受け取り続ける制度ではありません
- 3か月〜1年ほどの集中した学習期間を想定した制度です
健康保険・厚生年金はどうなる?
教育訓練休暇中も、原則として健康保険・厚生年金の資格はそのままです。
- 保険の資格:継続
- 本人負担分:支払いが必要
給与が出ない期間は天引きできないため、自分で支払う形になることが多い点に注意してください。
住民税はどうなる?
住民税は、休暇中も引き続きかかります。
- 前年の所得をもとに計算される
- 給付金が非課税でも、住民税には影響しない
- 給与天引きができない場合は、自分で納付(普通徴収)
まとめ:事前に知っておくと安心できる制度
教育訓練休暇給付金は、在職のまま学び直しができる、心強い制度です。
一方で、次のポイントを知らずに進めると、想定外の負担が出やすくなります。
- 給付は最長で1年間まで
- 社会保険料の支払いは続く
- 住民税は休暇中も納付が必要
まずはハローワークで条件を確認し、会社の制度とあわせて、休暇中のお金の動きを一度整理してみてください。
この制度は、内容を理解したうえで使えば、安心して学びに集中できる制度です。