公共職業訓練について

職業訓練の「受講指示」「受講推薦」「支援指示」について

2013年11月26日

職業訓練を受講する場合、「受講指示」「受講推薦」「支援指示」などあまり聞き慣れない言葉が出てきます。ですが職業訓練を受ける私達にとってはとても重要な言葉です。

ハローワークで申込する職業訓練については、ハローワークより上記3つのいずれかを受けて職業訓練に通うことになります。

職業訓練(ハロートレーニング)の種類は制度上2つに分かれています。
失業給付を受給する(受給している)人が優先される公共職業訓練と、それ以外に仕事を探している人向けの求職者支援訓練です。

失業給付や給付金を受けながら通うのか、または受けないのかによって指示内容が変わります。

公共職業訓練を受ける場合は受講指示、受講推薦、支援指示。
求職者支援訓練を受ける場合は、支援指示。

<公共職業訓練を受ける場合>

  • 受講指示
  • 受講推薦
  • 支援指示

<求職者支援訓練を受ける場合>

  • 支援指示

公共職業訓練とは、失業給付を受けながら通う学校の総称です。この中には離職者等再就職訓練、ポリテクセンターなど国や都道府県、民間が行なう職業訓訓練が含まれます。

求職者支援訓練とは、平成23年10月より恒久的に出来た制度で、その前までは基金訓練と呼ばれていました。主に失業給付を受けられない方が対象の職業訓練です。この求職者支援訓練以外の職業訓練は全て公共職業訓練になります。

公共職業訓練に通う場合は、受講指示を受けて通う場合、受講推薦を受けて通う場合、支援指示を受けて通う場合の3通りあります。求職者支援訓練で通う場合は、支援指示のみです。

支援指示については、公共職業訓練に通う場合と求職者支援訓練に通う場合と少し意味合いが異なります。

では、この3つの「受講指示」「支援指示」「受講推薦」のメリット、デメリットを見ていきます。

 

公共職業訓練に通う場合

受講指示のメリット・デメリット

◆受講指示のメリット

  • 職業訓練終了まで失業給付が延長される
  • 交通費(通所手当)が支給される
  • 受講手当(1日500円の手当が40日分支給される)
  • 失業給付の認定日が免除になり、求職活動実績も不要

◆受講指示のデメリット

  • なし

受講指示の一番のメリットは失業給付が延長されることです。さらに交通費も支給されます。
また4週間に1度通わなければならない認定日も免除されますし、必要な就職活動実績も必要ありません。職業訓練に通っていることが就職活動になるからです。

他にも受講手当が支給されます。1日500円の手当が40日分支給されるので合計2万円の支給です。
受講指示のデメリットは特にありません。

受講推薦のメリット・デメリット

受講推薦は、受講指示の対象にならなかった方が対象です。
また、職業訓練受講給付金の要件を満たし希望する場合は支援指示の対象になります。

◆受講推薦のメリット

  • 失業給付がなくても公共職業訓練が受講できる

◆受講推薦のデメリット

  • 合格に対する優先順位が下がる
  • 失業給付受給中であっても失業給付は延長されない
  • 失業給付受給中は認定日は免除されない
  • 交通費は自己負担

受講推薦の場合は失業給付の延長はありませんし、交通費も自己負担です。

失業給付を受けている間は認定日も免除になりませんので、訓練校を遅刻早退するなりして通う必要があります。

一番のデメリットが、受講指示者に対して合格に対する優先順位が下がるということです。雇用保険の財源で運営されている面もあるため、失業給付受給者(失業給付が十分に残っている方)が優先となります。

支援指示のメリット・デメリット

◆支援指示のメリット

  • 失業給付受給資格がなくても公共職業訓練に通うことができる
  • 毎月10万円の職業訓練受講給付金を受けながら職業訓練に通うことができる
  • 交通費が支給される

◆支援指示のデメリット

  • 合格に対する優先順位が下がる
  • 訓練期間中に月に1度、ハローワークへ就職支援を受けに行かなくてはならない(指定来所日)
  • 1日も休めない(やむを得ない理由があれば8割までは可能)
  • 給付金の要件を満たさなければ10万円と交通費の支給がなくなる

受講指示の対象にならず、「求職者支援制度の職業訓練受講給付金の対象」にの対象になる方が支援指示になります。支援指示の対象になった場合は、月に10万円の職業訓練受講給付金と交通費が支給されます。

受講給付金の要件を満たせない、または希望しない場合は、受講推薦の対象です

ただし受講指示にはならないが、まだ失業給付を受け取っている間は支援指示の対象にはなりません。
失業給付が終了した翌日から支援指示の対象になりますので注意が必要です。

デメリットとしては、毎月ハローワークへ就職支援と給付金の申請に行かなければならないことです。
指定来所日は予め日時は決められていますが職業訓練のカリキュラムを優先できますので、都合が悪い場合はずらすことも可能です。

◆職業訓練受講給付金の支給要件

  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月25万円(年300万円)以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していないこと
  • 全ての訓練実施日に出席していること
  • 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいないこと
  • 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがないこと

※職業訓練受講給付金の要件についての詳細は、以下のページにて確認してください。
職業訓練受講給付金 10万円の支給要件

求職者支援訓練に通う場合

求職者支援訓練に通う場合は、全ての方が支援指示をハローワークから受けて通うことになります
その際に10万円の職業訓練受講給付金を受けるか受けないかの違いがあります。

支援指示の場合は、毎月必ず住所管轄のハローワークにて就職支援を受ける必要があります。
このハローワークの就職支援日は職業訓練校はお休みです。

10万円の職業訓練受講給付金を受ける場合

メリット

  • 毎月10万円の職業訓練受講給付金を受けながら職業訓練に通うことができる
  • 交通費が支給される

デメリット

  • 1日も休めない(やむを得ない理由があれば8割までは可能)
  • 給付金の要件を満たさなければ10万円と交通費の支給がなくなる

10万円の給付金と交通費を受けられるのは大変なメリットではありますが、それだけ毎月の要件が厳しくなっています。

特に遅刻早退欠席が1度でもあると支給されません。そして交通費も併せて支給されなくなります。

もちろん特別な理由があって欠席する場合は8割以上の出席で支給はされますが、様々な証明書類が必要になります。

10万円の職業訓練受講給付金を受けない場合

職業訓練受講給付金を受けない場合は特にメリットもデメリットもありません。
ですが支援指示の場合は必ず月に1度はハローワークでで支援を受ける必要があります。これを指定来所日といいます。

また出席率については、全体の8割を満たしていれば問題ありません。ですが、全体の8割を下回るようだと退校しなければならない可能性が出てきます。

受講指示に必要な残日数

ここでは受講指示の要件について説明します。
受講指示を受けて通う場合、一番大切なのが失業給付の残りの残日数です。

簡単に言ってしまえば、職業訓練入校日までに失業給付の残日数が何日残っているかです。
残日数が残っていれば受講指示になりますし、そうでなければ支援指示か受講推薦になります。

退職理由や所定給付日数によって各々変わってきますので、以下の表を参考にしてください。

※各ハローワークによって状況が異なる場合があります。
あくまでも参考程度にして、詳細は住所管轄のハローワークにて確認するようにしてください。

給付制限なしの場合(会社都合等)

所定給付日数 残日数
90日 1日以上
120日 1日以上
150日 31日以上
180日 61日以上
210日 71日以上
240日 91日以上
270日 121日以上
300日 151日以上
330日 181日以上
360日 211日以上

給付制限ありの場合(自己都合等)

所定給付日数 残日数
90日 31日以上
120日 41日以上
150日 51日以上

受講指示の確認例

(例)
・会社都合退職のため給付制限なし
・4月6日開講の職業訓練に応募する場合
・所定給付日数が120日
・2月15日の時点で残り残日数が60日の場合

上記(例)の場合は、※給付制限なしの場合(会社都合等)の表を参考にします。
所定給付日数が120日のため、残日数が1日以上必要であることがわかります。

2月15日の時点で残りが60日ですから、4月6日の時点で何日あるかを計算します。

・2月15日から2月28日までの日数は13日
・3月1日から3月31日までの日数は31日
・4月1日から4月5日までの日数は5日

上記日数を足すと49日になります。4月6日まで49日減ってしまうということです。

現在残っている60日から49日を引けば11日。4月6日時点での残りの日数は11日となり、条件である1日以上残しているので受講指示の対象になります。

 

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