職業訓練の役に立つ話

職業訓練おすすめコースランキング2026| 就職しやすい職種と“避けるべき”コースの現実

「手に職をつけて、安定した正社員になりたい」
「今のままで将来大丈夫かな…」

そう考えて職業訓練を検討している方へ。

本記事では、主に20代・30代で職業訓練を検討している方向けに、「将来性」と「就職しやすさ」の両面からおすすめの職種・コースを解説しています。

結論から言うと、正社員就職を本気で狙うなら職業訓練で選ぶべき分野は『建設・電気・介護・IT』の4つにほぼ絞られます。

なお、40代以降や女性向けの現実的な選択肢についても、本文後半で補足しています。

職業訓練は、スキルを身につけながら失業保険の受給期間を延長できる公的制度ですが、コース選びを間違えると、卒業しても就職できないという落とし穴があります。

この記事では、厚生労働省の最新データ(2025年11月分データ/2025年12月発表)をもとに、「今、本当に就職しやすい職業(正社員)」をランキング形式で紹介します。

人気だけで事務系コースを選んで後悔する前に、「求人倍率が高い(=企業が求めている)」おすすめコースと、倍率が低い「地雷職種」の現実を、データに基づいて解説します。

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このランキングのデータは何を元にしているのか?

ランキングに入る前に、データの前提を説明します。本記事の「就職しやすい職種ランキング」「就職しにくい職種ランキング」は、厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況(令和7年11月分)」をもとに作成しています。

有効求人倍率とは?

ここで使っている「有効求人倍率」とは、ハローワークに登録している求職者1人あたり、何件の求人があるかを示した指標です。

  • 倍率1.0倍以上: 求職者より求人が多い(就職しやすい・売り手市場)
  • 倍率1.0倍未満: 求人より求職者が多い(就職しにくい・買い手市場)

統計の母数について(フルタイム向けデータを使用)

本記事のランキングは、アルバイトやパートを含まない「常用(パートを除く)」のデータを使用しています。フルタイム(正社員・契約社員・派遣社員など)で働く仕事です。

実は、2025年11月時点で正社員の有効求人倍率(全国平均)は「0.98倍」と、1.0倍を割り込んでいます。つまり、平均レベルでは「求職者1人に対して仕事が1つもない」厳しい状況ですが、特定の職種だけは「5倍、8倍」と異常なほど仕事が余っているのが実態です。

職業訓練で就職しやすい職種ランキング TOP20

まずは現実の数字を見てみましょう。倍率が高い職業ほどライバルが少なく、職業訓練卒業後の就職決定率も高くなる傾向があります。

【就職しやすい職業ランキング TOP20】
(2025年11月 一般職業紹介状況/常用・パート除く/有効求人数1,000人以上)

順位 職業名 倍率 求人数 主な仕事内容
1位 建設躯体工事従事者 8.62倍 18,344件 型枠大工、とび職、鉄筋工
2位 土木作業従事者 7.51倍 40,986件 土木作業員、建設機械オペレーター
3位 建築・土木・測量技術者 7.12倍 57,370件 建築士、施工管理(現場監督)、測量士
4位 保安職業従事者 6.99倍 54,749件 警備員、自衛官、警察官、消防員
5位 その他の技術者 6.79倍 10,497件 食品工場の品質管理、環境分析、生産技術など
6位 建設従事者(躯体除く) 5.26倍 29,064件 大工、内装工、配管工、塗装工
7位 機械整備・修理従事者 4.56倍 35,980件 自動車整備士、機械修理工
8位 電気工事従事者 3.88倍 19,684件 電気工事士、送電線架線工
9位 介護サービス職業従事者 3.48倍 106,678件 介護福祉士、ホームヘルパー
10位 医療技術者 3.17倍 27,497件 理学療法士、診療放射線技師
11位 運輸・郵便事務従事者 3.11倍 5,291件 運行管理、郵便局内務
12位 社会福祉専門職業従事者 3.06倍 78,895件 保育士、ケアマネジャー
13位 保健医療サービス職業従事者 3.05倍 13,874件 看護助手、歯科助手
14位 生活衛生サービス職業従事者 2.87倍 19,123件 美容師、理容師、クリーニング職
15位 自動車運転従事者 2.84倍 78,510件 トラック・バス・タクシー運転手
16位 医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 2.61倍 5,650件 医師、薬剤師(※要大学卒資格)
17位 保健師、助産師、看護師 2.41倍 60,973件 看護師、准看護師
18位 製造技術者(開発) 2.28倍 14,594件 機械・電気・化学開発技術者
19位 定置・建設機械運転従事者 2.17倍 16,895件 工場内クレーン、フォークリフト運転など
20位 飲食物調理従事者 2.00倍 41,097件 調理師、パティシエ

※参考:一般事務の倍率はわずか0.31倍(3人に1人しか受からない)です。

ランキングの補足ポイント

  • 1位〜3位の「建設・土木系」について圧倒的な人手不足です。特に「施工管理(3位)」は、現場作業ではなく管理業務が中心のため、女性や体力に自信がない方でも、職業訓練を経て目指せる有力なルートです。
  • 3位(建築・土木・測量技術者):
    この区分は求人数が5万7千件を超えていますが、これには「施工管理」だけでなく、「建築士」「測量士」「建設系CAD」などの専門技術職がすべて含まれています。
    未経験からすぐに応募できる求人はその一部ですが、それでも業界全体で人材が枯渇しているため、資格なし・未経験から挑戦できる求人も増加しています。※補足:このため、この数字は「施工管理単体の求人数」ではなく、建設系技術職グループ全体の合計値です。
  • 5位「その他の技術者」とは?一見分かりにくい分類ですが、ここには食品メーカーの品質管理や、環境調査・分析といった「理系寄りの技術職」が多く含まれています。専門性が高く、安定した求人がある隠れた狙い目です。

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おすすめコースはこれ!データで見る「狙い目」職種

単に倍率が高いだけでなく、職業訓練を活用することでメリットが大きくなる「狙い目」のコースを解説します。

① 建設・電気(3.88倍〜8.62倍)

なぜ倍率が高い?「体力的にキツイ」「夏暑く冬寒い」というイメージで若手が敬遠し、職人の高齢化が進んでいるためです。

職業訓練のおすすめコースこの分野を狙うなら、現場作業そのものではなく「技術・管理・資格」で勝負する以下のコースがおすすめです。

  • 【電気・設備系】
    • 第二種電気工事士
    • 設備管理(ビルメンテナンス)
    • 消防設備士
    • ボイラー技士
  • 【建設・CAD系】
    • 建築CAD・CADオペレーター
    • 施工管理(現場監督)
    • 測量

「電気工事士」などの国家資格を取得すれば、仕事に困ることはありません。また、「CAD」や「施工管理」などのデスクワーク寄り・管理側の仕事なら、女性や40代以上でも需要があります。

② 介護・福祉(3.48倍)

なぜ倍率が高い?
腰痛などの身体的負担や、夜勤による生活リズムの変化で離職する人が多いためです。

職業訓練のおすすめコース
未経験でいきなり現場に入るより、訓練で上位資格を目指すことで、最初から資格手当がついたり、給与が高めに設定されたりします。

  • 【介護系】
    • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
    • 実務者研修
    • 介護福祉士(長期養成コースの場合)

③ IT・技術職(1.59倍 ※情報処理・通信技術者)

なぜ倍率が高い?
建設ほどではありませんが、全国平均(0.98倍)を大きく上回っています。「未経験OK」の求人は少なく、即戦力が求められるため、独学で挫折する人が多いのが現状です。

職業訓練のおすすめコース
独学では挫折しやすいプログラミング言語などを、体系的に学べるのが最大のメリットです。

  • 【IT・Web系】
    • Web制作・Webデザイン
    • Javaプログラミング
    • Python・AIデータ分析
    • ネットワークエンジニア(CCNA等)

※注意点:ITコースは「誰でも就職できる魔法」ではありません

職業訓練のITコースを出ても、全員がSEやプログラマーになれるわけではありません。

実際には、以下のようなケースも少なくありません。

  • 授業のスピードについていけず途中で脱落する人
  • 卒業しても実務レベルに達せず就職が決まらない人

特に、パソコン操作が極端に苦手な人や、自宅での自習時間をまったく取れない人には、ITコースは正直おすすめできません。ITは「楽して高収入」ではなく、「努力量に対してリターンが大きい職種」と理解しておきましょう。

事務職は地雷?就職しにくい職業(倍率1.0未満)ランキング

「事務職なら安定しているし…」と安易に考えていませんか?
求人倍率が1.0倍を下回る職業は、「1つの椅子を複数人で奪い合う」状態です。

【就職しにくい職業ランキング(倍率1.0倍未満)】
(2025年11月/常用正社員/有効求人数1,000人以上)

順位 職業名 倍率 求人数 厳しい理由
ワースト1位 美術家・デザイナー 0.15倍 3,241件 7人に1人しか受からない。経験者優遇が圧倒的。
ワースト2位 事務用機器操作 0.25倍 2,128件 データ入力など。AI・RPA化で求人自体が激減中。
ワースト3位 その他の運搬・清掃・包装等 0.30倍 13,808件 軽作業。特別なスキルが不要なため、応募が殺到する。
ワースト4位 一般事務従事者 0.31倍 75,909件 3人に1人の狭き門。正社員求人はさらに希少。
ワースト5位 会計事務従事者 0.56倍 12,581件 経理など。資格(簿記)があっても実務経験がないと厳しい。
ワースト6位 居住施設・ビル等管理人 0.58倍 2,554件 マンション管理人など。人気職のため競争率が高い。
ワースト7位 その他の専門的職業 0.61倍 15,465件 研究者などニッチな分野。
ワースト8位 機械組立従事者 0.78倍 15,703件 工場での組立作業。自動化の影響もあり低め。
ワースト9位 製造技術者(開発を除く) 0.93倍 11,555件 生産管理など。開発職(2.28倍)とは対照的に低い。
ワースト10位 営業・販売事務従事者 0.96倍 13,246件 営業サポート事務。一般事務よりマシだが1倍割れ。

事務職やデザイン職を目指すなら、「職業訓練+α(高度な資格やポートフォリオ、実務経験)」がないと、この競争には勝てません。

【コラム】求人広告だらけの「軽作業」が、なぜ倍率0.3倍なのか?

街中で「軽作業スタッフ募集!」という広告をよく見かけますが、実はデータを見ると「軽作業」の中身によって天国と地獄に分かれています

  • 選別・仕分け(倍率低): いわゆる「楽な軽作業」。誰でもできるため応募が殺到し、激戦区です。
  • 運搬・清掃(倍率高): 体力を使うため敬遠されがちですが、実は人手不足です。

ただの「軽作業員」を目指すと競争に巻き込まれます。職業訓練で以下の資格を取れば、同じ倉庫内作業でも「運搬」の枠で採用され、待遇も良くなります。

  • 【物流・軽作業回避ルート】
    • フォークリフト運転技能者
    • 倉庫管理
    • 物流オペレーター

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地域によって倍率は2倍違う?都道府県別の傾向

同じ職種でも、実は「地域」によって就職のしやすさは大きく変わります

2025年11月時点の有効求人倍率(季節調整値)を見ると、以下のように大きな差があります。

  • 就職しやすい県(1.5倍以上): 福井県(1.82倍)、富山県(1.62倍)、山梨県(1.54倍)など
  • 競争が激しい県(1.0倍前後): 福岡県(0.98倍)、神奈川県(1.00倍)、大阪府(1.00倍)、東京都(1.07倍)など

都市部は求人数自体は多いものの、求職者(ライバル)も非常に多いため、倍率が1.0倍前後まで下がっています。一方で、地方では建設・介護・物流系の求人が慢性的に不足しており、売り手市場が続いています。

「自分が住んでいる地域の倍率はどうなのか?」を知ることは、コース選びで失敗しないための重要なポイントです。

都道府県別の有効求人倍率ランキングについては、以下の記事で詳しくまとめています。
■【2026年最新】都道府県別の有効求人倍率ランキング!仕事が見つかりやすい県・厳しい県はどこ?

女性におすすめのコースと「人気職」の落とし穴

女性に人気の「フラワーデザイン」や「ブライダル」などのコース。「趣味の延長で働けたら素敵だな」と思うかもしれませんが、ここにもデータの現実があります。

人気職ほど「倍率が低い」構造

女性に人気の訓練コースほど、実は「倍率が低い(就職しにくい)」傾向があります。

  • デザイナー職: 0.15倍(7人に1人)
  • 一般事務: 0.31倍(3人に1人)

一方で、少し視点を変えると倍率は跳ね上がります。

  • 接客・給仕: 1.69倍(正社員のみ)
  • 建築・土木技術者: 7.12倍

① フラワーデザイン・ガーデニング系

「デザイナー」として探すと倍率0.15倍の激戦区です。狙い目は「販売・店長候補(倍率2.10倍)」です。「お花屋さん(販売職)」として就職し、実務の中でアレンジメントを任せてもらうルートなら、求人は豊富にあります。

② ブライダル・ホテル・観光系

インバウンド需要で「接客・サービス」の倍率は1.69倍(正社員)と高く、狙い目です。「ホテルスタッフ」や「レストランサービス」まで視野を広げ、語学(英語・中国語)とセットで訓練を受けると、一流ホテルやブライダル企業への就職確率が上がります。

③ 【本当の穴場】建設CAD・インテリア系

今、建設業界では「CADオペレーター(図面作成)」ができる女性を求めています。倍率は7.12倍(建築技術者)と圧倒的な人手不足です。

  • デスクワークなので体力は不要
  • 専門職なので時給・給与が高い
  • 在宅ワークへの切り替えもしやすい

「事務職(0.31倍)」を目指して消耗するくらいなら、パソコンスキルを活かして「CAD(7.12倍)」を目指すのが、賢いキャリア戦略と言えます。

【年代別】失敗しないコース選びのポイント

20代・30代:将来性重視で「攻め」の選択を

若さは最大の武器です。多少ハードルが高くても、将来的に年収アップや独立が見込める分野に挑戦しましょう。

  • IT・Web系: スキルさえ身につけば働き方の自由度が上がります。
  • 電気工事士・設備管理: AIに奪われない「手」の技術です。一生働けるスキルになります。
  • 建設(施工管理): 20代なら未経験でも引く手あまたです。

40代以降:現実重視で「守り」と「強み」を活かす

40代以降は、体力的な負担が少なく、かつ「若い人にはない落ち着き」が評価される職種を選びましょう。

  • ビルメンテナンス(ビル管理): 「電気工事士」「ボイラー技士」などの資格セットを訓練で取得すれば、中高年の再就職の王道です。
  • 介護(施設系): 人生経験が豊富な40代・50代は、現場でのコミュニケーション能力が重宝されます。

まとめ

職業訓練は、失業保険をもらいながら勉強できる制度ですが、「通えば自動的に就職できる」わけではありません。

  • 事務・デザイン系は、倍率0.3倍以下の激戦区であること
  • IT系は、向き不向きがはっきり分かれること
  • 建設・介護・電気は、人手不足で就職しやすいが、職種選び(管理側・技術側)が重要であること

これらを理解した上で、ハローワークの窓口で相談し、必ず「施設見学」に行って授業の雰囲気を確かめてください。あなたのキャリアプランに合った、最適なコースが見つかることを応援しています。

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