職業訓練コース一覧

職業訓練でDTPオペレーター!未経験からの資格・就職と試験対策

2017年5月7日

DTPとは(Desktop Publishing、デスクトップパブリッシング)を略したもので、「机上出版」や「卓上出版」とも言われています。DTPの主な役割は、パソコンで印刷用データを作成し、入稿できる状態に仕上げて印刷物を作ることです。

パソコンがなかった時代は、印刷物を制作する際に、版下の作成や製版、印刷などのいくつもある工程をそれぞれの専門家が手分けをして行っていました。しかし、DTPでは制作〜入稿に必要な多くの作業をパソコン上で行えるため、それほど人数をかけずに進められるようになったのです。

それらの作業を行う人を、DTPデザイナーやDTPオペレーターなどと呼びます。

スポンサーリンク

DTPオペレーターに資格は必要か

結論から言うと、DTPオペレーターになるために必須の資格はありません。実務では資格よりもスキルとポートフォリオ(作品集)が重視されます。

ただし、以下のような場合は資格取得が有効です。

  • 未経験からDTP業界への就職を目指す場合(スキルの証明になる)
  • フリーランスとして仕事を受注する場合(信頼性の担保)
  • 体系的にスキルを学びたい場合
  • 給与査定や昇進の際の判断材料にしたい場合

特に未経験者にとっては、「DTP検定」や「DTPエキスパート」などの資格が、最低限の知識とスキルを持っていることの証明になります。

主な取得可能資格

DTP検定

DTP検定は、株式会社ボーンデジタルが実施する検定試験で、DTPに関する知識と技術を証明する資格です。

試験区分

  • DTP検定ディレクション(制作指揮・工程管理)
  • DTP検定ビジネス(広報・営業・事務)

以前はI種・II種という区分がありましたが現在は再編されています。実務知識の証明としてディレクションの取得を目指すと良いでしょう。

試験内容

  • 印刷・製版の基礎知識
  • DTP環境とワークフロー
  • カラーマネジメント
  • 印刷メディアの企画・編集
  • 法的知識(著作権など)

難易度と合格率

合格基準は正解率70%以上です。CBT方式(コンピュータ試験)で行われ、随時受験が可能です。

受験料

各11,000円(税込、2026年1月時点)

DTPエキスパート

DTPエキスパートは、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)が実施する認証試験で、DTP業界で評価される資格の一つです。

試験区分と内容

  • DTPエキスパート: 学科試験(DTP、色、印刷技術、情報システム、コミュニケーション)
  • DTPエキスパート・マイスター: 学科試験 + 実技試験(課題制作)

難易度と合格率

合格率は実施回(期)によって差があります。学科は「知識が広い」「安易な準備だと難しい」傾向があるため、職業訓練で学んだ内容を土台にして、過去の出題傾向を意識して準備すると安心です。

受験料(2026年1月時点)

DTPエキスパート(学科のみ): 16,000円
DTPエキスパート・マイスター(学科+実技): 23,000円

更新制度

DTPエキスパートは2年ごとの更新が必要です。更新試験受験料は7,300円(税込)です。

その他の関連資格

色彩検定
公益社団法人色彩検定協会が実施。DTPでは色の知識が重要です。2級・3級を持っていると、カラーマネジメントの理解を示せます。

Illustrator・Photoshopクリエイター能力認定試験
サーティファイが実施する試験で、各ソフトの操作スキルを証明できます。スタンダードとエキスパートの2段階があります。

スポンサーリンク

訓練内容

コース例: DTPデザイン科(6ヶ月コース)

※求職者支援訓練

出版・広告・印刷・デザインなどの業種で活躍できる人材を養成するための訓練です。デザインの学習、印刷物、販促物などの制作、入稿までに必要な知識と技術をさまざまな課題制作を通じて習得します。

科目 科目の内容 時間
学科 入校式・オリエンテーション/修了式 入校式・訓練の概要説明等(2H) 修了式・書類記入(2H) 4
就職支援 履歴書・職務経歴書の書き方、面接のマナー、ジョブ・カード作成指導 18
安全衛生 VDT作業・安全衛生の必要性 6
デザイン基礎 デザインとは、色の役割と効果、レイアウトについて、書体とフォント、タイポグラフィ 6
プランニング概論 マーケティングの手法、企画立案、情報収集と分析、著作権について 12
プリプレス概論 印刷基礎(フロー・解像度・用紙種別・データ種別・入稿方法)、版下作成、組版、製版 12
実技 ビジネス文書作成実習 文書の作成と編集、書式の設定、ファイル管理(保存、削除、移動、コピー)・オブジェクトの活用、表の作成、段落書式、印刷形式、図の挿入(使用ソフト:Word2010) 48
表計算作成実習 ワークシートの入力・設定・編集、表示形式、フォントと罫線の設定、計算式・関数・配列数式、数値管理、データ抽出・処理、グラフ作成、ページレイアウト設定(使用ソフト:Excel2010) 48
デザイン制作基礎 動作環境の導入と基本設定(6H)、テキスト入力、ペンツール・文字編集・パス描画・オブジェクト作成(30H)、ロゴのトレース操作、画像の配置・データの書き出し(30H)(使用ソフト:Illustrator) 66
デザイン制作実習 コピー作成・カンプ作成・文字組・WEBパーツ作成(36H)、文字・プレーンテキスト・イラスト・フライヤー・ポスターの作成(36H)(使用ソフト:Illustrator、InDesign) 72
画像加工基礎 動作環境の導入と基本設定(6H)、画像サイズの変更・色調補正・合成と修正・画像の書き出し、タイトル文字の作成などのレタッチ(54H) 60
画像加工実習 実際に撮影した写真を使っての画像処理と加工(30H)、トリミング・解像度・リサイズ・補正・合成加工・トーン(36H)(使用ソフト:Photoshop、InDesign) 66
サイト制作活用基礎 HTMLとCSS(スタイルシート)の仕組み、基本操作、Web標準に準拠したコーディング(30H)、SEO(検索エンジン最適化)施策(12H)、ユーザビリティ・アクセシビリティについて(18H)、マルチデバイス対応・レスポンシブデザイン(36H)(使用ソフト:Illustrator、Photoshop、Dreamweaver) 96
総合デザイン実習 デザイン・ファイル管理・デザインソフトによる制作と確認(24H)、組版レイアウトのルール(30H)、入稿方法の確認(24H)、プレゼンテーション(18H)(使用ソフト:Illustrator、Photoshop、InDesign、Dreamweaver) 96
その他 職業人講話 6
訓練総時間合計616時間(学科:58時間 実技:552時間 職業人講話:6時間)

使用ソフト(DTP三種の神器)

InDesign、Illustrator、Photoshop等のツールを利用して実務に必要な知識を習得します。これらのソフトはDTP三種の神器とも呼ばれています。

DTPオペレーター

Adobe Photoshop

写真を加工することに適したソフト。画像編集ソフトとして高い機能を持ち、プロの方も使う評価の高いソフトウェアです。

主な用途

  • 写真の色調補正、レタッチ
  • 画像の合成
  • 解像度の調整
  • トリミング、切り抜き

Adobe Illustrator

デザインする描画ツールとして、印刷業界などあらゆる分野で使用されています。特にDTP業界においてはチラシや小冊子等の印刷物の制作ソフトとして標準で使われています。

特徴と主な用途

  • 画像を劣化させることなく拡大や縮小、変形が可能(ベクター形式)
  • イラストやロゴの作成に適している
  • チラシ、ポスター、名刺などの制作
  • レイアウトデザイン

Adobe InDesign

業界の書籍作成はこのソフトが使われます。DTPレイアウトソフトとして、ページ数の多い冊子や書籍のレイアウトデザインに主に使われます。

主な用途

  • 雑誌、書籍のレイアウト
  • カタログ、パンフレット制作
  • ページ物の組版作業

同メーカーのPhotoshopやIllustratorとの互換性が良いため、広く使われています。

Adobe製品の入手方法
Adobe製品は無料体験版(7日間)をダウンロードして試すことができます。また、職業訓練校に在籍している場合、学生・教職員向けプランの購入資格に該当するケースがあります(対象可否は購入時の条件確認が必要です)。

Adobe無料体験版のページ (Mac & Windows)

スポンサーリンク

主な就職先の業種、職種

DTPオペレーター・DTPデザイナーの就職先は多岐にわたります。

主な業種

  • 印刷会社
  • 製版会社
  • DTP制作会社
  • 広告代理店
  • 出版社
  • デザイン事務所
  • Web制作会社
  • 一般企業の広報部門

制作物の例

  • ロゴやフライヤーのデザイン
  • スーパーのチラシ
  • 不動産の間取り図
  • 雑誌・書籍のレイアウト
  • カタログ、パンフレット
  • 名刺、ポスター
  • Webデザイン

DTP業界の現状とキャリアパス

紙媒体は縮小傾向にあることから、徐々にWeb媒体へシフトしています。そのため、職業訓練でもDTPと併せてWebデザインを学ぶコースが増えています。

未経験から就職するには

  • 職業訓練で基礎スキルを習得する
  • 訓練中にできるだけ多くの作品を制作する
  • ポートフォリオ(作品集)を充実させる
  • 資格(DTPエキスパートなど)で基礎知識を証明する

採用面接で最も重視されるのは実際の作品です。職業訓練中、いかに多くの作品を制作するかが就職成功の鍵となります。

求められるスキル

  • Adobe三種の神器(Photoshop、Illustrator、InDesign)の操作スキル
  • レイアウトデザインのセンス
  • 印刷・製版の知識
  • 色彩感覚
  • 納期管理能力
  • クライアントとのコミュニケーション能力

「上手いか下手か」というよりも、その人のデザインセンスが問われる場合もあります。センスは経験を積むことで磨かれていくものなので、訓練中に多くの課題に取り組むことが重要です。

スポンサーリンク

DTPとWebデザインの関係

近年、DTPスキルだけでなく、Webデザインスキルも併せ持つ人材の需要が高まっています。

DTPとWebの共通点

  • Adobe製品(Photoshop、Illustrator)を使用する
  • レイアウトデザインの基礎知識が活かせる
  • 色彩感覚が重要

DTPとWebの違い

  • DTP:紙媒体、固定サイズ、印刷用データ作成
  • Web:画面表示、可変サイズ、HTML/CSSコーディング

職業訓練でWebデザインも学んでおくと、就職の選択肢が広がります。

まとめ

DTPオペレーターとはDTPソフトを使いこなし、印刷できる状態にまで仕上げる人です。そのため、Adobeソフト(Photoshop、Illustrator、InDesign)のスキルは必須です。

資格については、必須ではありませんが、未経験者にとってはDTP検定やDTPエキスパートが有効です。特に就職活動時に、基礎知識とスキルを証明する材料となります。

紙媒体は斜陽産業であることから、徐々にWeb媒体へシフトしています。職業訓練でもDTPと併せてWebデザインを学ぶコースが増えています。

DTP、Webデザイン共にセンスが必要です。ただ単に素材を並べて絵にするなら誰でもできますが、実際に採用面接で問われるのは実際の作品です。職業訓練中、いかに多くの作品を制作するかが大事です。

DTPの仕事は、簡単なチラシ作成から商品デザインまで多岐にわたります。興味がある方は、まずAdobe製品の無料体験版を試してみることをオススメします。

よくある質問(FAQ)

DTPオペレーターになるために資格は必要ですか?

必須ではありません。実務ではスキルとポートフォリオ(作品集)が重視されます。ただし未経験から就職する場合や、フリーランスで受注する場合は、資格が「基礎知識の証明」になりやすいです。

DTP検定とDTPエキスパートの違いは何ですか?

DTP検定は「ディレクション」「ビジネス」の2区分で、基礎〜実務知識の整理に向きます。DTPエキスパートはJAGATの認証で、学科のみの「エキスパート」と、実技を含む「マイスター」があります。更新制度(2年ごと)も特徴です。

DTPに必要なソフトは何ですか?

代表的にはPhotoshop、Illustrator、InDesignで、通称「DTP三種の神器」です。写真加工、図版制作、ページ物レイアウトなど役割が分かれています。

職業訓練でDTPを学ぶメリットは何ですか?

受講料無料で体系的に学べる点に加えて、課題制作を通じてポートフォリオを増やせる点が大きいです。未経験者ほど「作品数」が就職に直結しやすいです。

DTPオペレーターの就職先はどのようなところですか?

印刷会社、製版会社、DTP制作会社、広告代理店、出版社、デザイン事務所、Web制作会社、一般企業の広報部門などがあります。制作物はチラシ、冊子、カタログ、名刺など幅広いです。

未経験からDTPオペレーターになれますか?

可能です。職業訓練で基礎スキルを固め、訓練中に作品を増やしてポートフォリオを作り込むのが王道です。面接で問われやすいのは「作品の中身」です。

DTP業界の将来性はどうですか?

紙媒体は縮小傾向でWebへシフトが進んでいます。そのためDTPだけでなく、Webデザインも学べると選択肢が広がります。共通するのはレイアウトや色の基礎です。

-職業訓練コース一覧