「パソコンを基礎から学びたいけれど、スクール代が高い」「WordやExcelの資格を取りたい」そんな方におすすめなのが、職業訓練のパソコンコースです。
職業訓練なら、受講料は原則無料で、パソコンの基礎からMOS資格の取得まで目指すことができます(ただし、教科書代や検定料は自己負担です)。この記事では、パソコン訓練の具体的な内容、取得できる資格、そして「MOS資格は本当に使えるのか」という疑問まで詳しく解説します。
先に結論を言うと、MOSは「これだけで就職が決まる資格」ではありません。ただ、未経験の人が“できる”を示す材料としては役立ちます。何が無料で、何が自己負担なのかも含めて、迷わないように整理していきます。
■目次
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パソコンを学べる職業訓練とは
パソコン操作やExcel・Wordを主に学ぶ職業訓練は、職業訓練コースの中で一番数が多いコースです。
それぞれ1人1台ずつパソコンを使える環境で勉強していきます。パソコンを学ぶ職業訓練はさまざまで、それぞれコース名が異なります。
主なコース名
- ビジネスパソコン基礎科
- パソコンビジネス基礎科
- パソコン事務基礎科
- 初歩からできるビジネスパソコン基礎科
訓練内容の詳細
パソコンの基礎から学び、ビジネスに必要なパソコンスキルを身に付けます。初心者の方でもわかりやすく説明していきます。
学べること
- パソコンの電源の付け方
- キーボード・マウス操作
- タッチタイピング(ブラインドタッチ)
- インターネット、電子メールの使い方
- Word、Excel、PowerPoint(ワード、エクセル、パワーポイント)等マイクロソフトのオフィス製品の操作方法
- 検定試験対策(MOS)
他にも訓練コースによっては、Accessの活用、ホームページの作成・更新等を学びます。コースによって、それぞれ特徴があります。

訓練例1:ビジネスパソコン即戦力養成科(3ヶ月コース)
以下は公共職業訓練の実際のコース例です。
| 科目 | 科目の内容 | 時間 | |
|---|---|---|---|
| 学科 | コンピュータ基礎 | コンピュータの基本構成、インターネットの仕組み、セキュリティ対策、情報モラル | 6 |
| コンピュータ入門 | パソコンでできること、パソコンの構成要素、周辺機器、ハードウェア、ソフトウェア、マウスの正しい持ち方、キーボードの確認、ホームポジション、ファイルとフォルダー、リムーバブルディスクの活用 | 18 | |
| 情報リテラシー | コンピュータとネットワークの仕組み、情報セキュリティ(Windowsのセキュリティ対策、パスワード管理、無線LANのセキュリティ)情報と社会(著作権、個人情報保護法、不正アクセス禁止法) | 24 | |
| 実習 | Word基礎実習 | Wordの基本操作、文字・段落の書式設定、図の挿入・編集、タブとインデント、スタイルの適用、ページ設定等 | 54 |
| Word応用実習 | Wordの応用操作、MOS試験対策 | 24 | |
| Excel基礎実習 | Excelの基本操作、数式の入力、表の編集、グラフの作成、関数の挿入、ワークシートの基本操作、データベース機能等 | 54 | |
| Excel応用実習 | Excelの応用操作、関数、MOS試験対策 | 24 | |
| プレゼンテーション実習 | PowerPoint操作、シナリオの組み立てかた、資料の作成、プレゼン発表 | 30 | |
| 広告作成実習 | Wordを使ったチラシ・ポスター作成、レイアウト・配色などデザインの基礎知識 | 18 | |
| 就職支援 | 履歴書・職務経歴書作成指導、ジョブ・カード作成支援、面接指導、ビジネスマナー、コミュニケーション、具体的な目標設定、キャリア・コンサルティング(個別) | 24 | |
| 訓練時間合計(入学式・修了式は除く)321時間 | |||
訓練例2:初歩からできるビジネスパソコン基礎科(4ヶ月コース)
以下は求職者支援訓練の実際のコース例です。
| 科目 | 科目の内容 | 時間 | |
|---|---|---|---|
| 学科 | 職業能力開発講習 | コミュニケーションの基本、ビジネスマナー、自己の理解、職業意識の向上、自己開示等の表現スキル | 100 |
| 安全衛生 | VDT作業上の注意点、対策について | 1 | |
| ビジネス文書 | Wordの概要(画面構成・リボン・ボタン)、IMEの機能、Wordでの用紙・印刷設定 | 8 | |
| ビジネス表計算 | Excelの概要(画面構成・リボン・ボタン)、Excelの基本操作・データ入力、基本的な表の作成、計算式・関数の作成についての理解 | 25 | |
| 就職支援 | 応募書類の作成支援、模擬面接のロールプレイ | 10 | |
| 実技 | ビジネス文書基礎実習 | 簡単な文書(案内文・お知らせ状)の作成、用紙設定、入力支援機能、基本的な文字修飾、ワードアート、基本的な段落操作、テキストボックス・図形の作成、表の作成 | 30 |
| ビジネス文書演習 | Excelの基本操作、基礎的関数の使用、シート操作、罫線、売上表の作成、簡易的な帳簿の作成、各種社内向け資料の作成演習 | 15 | |
| ビジネス表計算演習 | Excelの基本操作、基礎的関数の使用、シート操作、罫線、売上表の作成、簡易的な帳簿の作成、各種社内向け資料の作成演習 | 24 | |
| ビジネス文書作成応用実習 | Wordの実用的操作、文字列操作、文章校正、差し込み文書の作成、スマートアート・オートシェイプを使った案内図の作成、各種社外向け文書・資料の作成、段組みや区切りを使った会議用資料作成、ヘッダー・フッター作成、各種資料の効率的な作成、新規ビジネス文書の自立作成 | 60 | |
| ビジネス表計算・図表作成応用実習 | Excelの実用的操作、グラフの基本操作、複数シートの実用的操作、データの並び替え・抽出、データベースを利用した納品書・請求書の作成、論理関数による分岐操作、関数のネスト操作、統計関数の実用的操作、関数によるエラー処理操作、条件付き書式、関数・グラフを駆使した実践的な社内・社外向け資料の作成、新規ビジネス資料の自立作成 | 80 | |
| プレゼンテーション実習 | PowerPointの基本操作、プレゼンテーションの構成、スライドショー、新規プレゼンテーション資料の自立作成、プレゼンテーション(発表) | 35 | |
| その他 | オリエンテーション・就職支援など | オリエンテーション(開講時、閉講時)、ジョブ・カード作成支援、個別相談、履歴書・経歴書の書き方と面接方法、就職相談など | 24 |
| 訓練時間合計 412時間 | |||
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取得できる資格
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOS(Microsoft Office Specialist)は、パソコンに関連する資格で一番有名なものです。
エクセルやワードなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格となります。
取得できる科目:
- Word(Microsoft 365 / Office 2021 など)
- Excel(Microsoft 365 / Office 2021 など)
- PowerPoint(Microsoft 365 / Office 2021 など)
※ Accessは一部コースのみで、扱わない訓練校も多い
Wordであれば文字サイズやフォントの変更、表の作成・編集、作成した文書の印刷などの基本的な機能を理解しているか等が問われます。
MOS資格の難易度と合格率
これまで530万人以上の人(2025年8月時点)が受験しています。合格率は公開していませんが、職業訓練では試験範囲に沿って対策するため、未経験からでも合格を目指しやすいのが特徴です。難易度はそれほど高くはありません。
MOS資格の受験料
受験料が1科目につき1万円を超える金額がネックです。
2026年1月現在の1科目受験料:
- 一般レベル:12,980円(税込)
- エキスパート(上級):12,980円(税込)
履歴書の資格欄に書くことができる資格なので取得することをおすすめします(ただし、受験は任意のケースもあるため、受講前に「受験するかどうか」「校内で受験できるか」を確認すると安心です)。
参考:MOS(Microsoft Office Specialist)公式サイト
その他の資格
- Word文書処理技能認定試験3級
- Excel表計算処理技能認定試験3級
- PowerPointプレゼンテーション技能認定試験初級
MOS資格は使えるのか(役に立つのか)
「MOS資格は使えない」という声を聞いたことがあるかもしれません。この疑問について正直に答えます。
MOS資格だけでは就職は難しい
MOS資格を持っているだけで就職が有利になるわけではありません。これは事実です。多くの企業では、「Wordが使える」「Excelが使える」ことは当たり前のスキルと見なされているからです。
MOS資格が役立つケース
ただし、以下のような場合には役立ちます。
- パソコンスキルを客観的に証明できる(特に実務経験が少ない場合)
- 履歴書の資格欄に書ける(何も書けないよりは良い)
- 自信を持って「パソコンができます」と言える
- 基本操作をきちんと理解している証明になる
大切なのは実務で使えるスキル
資格よりも大切なのは、実際にWordやExcelを使って仕事ができるかどうかです。職業訓練では、資格取得だけでなく、実務で使える操作方法を学ぶことができます。
MOS資格は「あれば少しプラスになる」程度と考え、実務スキルを身につけることを優先してください。
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主な就職先
- 一般事務
- 営業事務
- OA事務
- その他パソコンを使う職種全般
パソコンは多くの職場で日常的に使います。
パソコン訓練を受ける際の注意点
対象者は初心者向け
パソコン初心者向けの訓練コースです。あまりパソコンを使ったことがない方でも始められるカリキュラムを組んでいます。
受講生の年齢幅も広く、老若男女幅広く受講しています。
パソコンは今や使えて当たり前の世界です。パソコンが使えないと就職先の選択肢が狭まります。そのため、幅広い年齢層の方が受講しているのが特徴です。
バージョンとOSの確認
訓練校によっては古いバージョンのソフトを使っている訓練校もあります。なるべく最新のバージョンを使っている学校を探しましょう。
2026年1月時点:
- 最新のオフィスのバージョン:Microsoft 365(サブスク)、Office 2024、2021
- 問題ないバージョン:Office 2021以降
- パソコンのOS:Windows 11が推奨
- 注意:Windows 10は2025年10月にサポートが終了しました
自分のレベルに合っているか確認する
施設見学会などで自身のレベルに合っているのかを確認の上、受講することをおすすめします。なかには授業内容が物足りないという方も出てくるからです。
よくある質問
パソコンを全く触ったことがなくても受講できますか?
はい、受講できます。パソコンの電源の付け方から教えてくれるコースもあります。初心者を対象にカリキュラムが組まれているため、安心して受講してください。
MOSは何科目受ければいいですか?
最低限、Word(ワード)とExcel(エクセル)の2科目は取得することをおすすめします。PowerPointも業務で使う場合は取得を検討してください。ただし、1科目1万円以上の受験料がかかるため、予算と相談してください。
MOS資格を取れば就職に有利ですか?
MOS資格だけで就職が有利になるわけではありません。「パソコンが使える」ことは当たり前のスキルと見なされています。ただし、実務経験が少ない場合は、スキルを客観的に証明できる手段として役立ちます。
訓練期間はどのくらいですか?
3ヶ月から6ヶ月のコースが一般的です。コースによって期間が異なるため、ハローワークで確認してください。
すでにパソコンが使える人には物足りないですか?
基礎から学ぶコースが多いため、すでにWord・Excelを使える人には物足りない可能性があります。施設見学会でカリキュラムを確認することをおすすめします。応用レベルのコースもあるため、自分のレベルに合ったコースを選んでください。
AccessやWebサイト作成も学べますか?
コースによって異なります。AccessやWebサイト作成を含むコースもあるため、ハローワークで確認してください。多くのコースは、Word・Excel・PowerPointが中心です。
受講料は本当に無料ですか?
訓練受講料は無料です。ただし、教科書代やMOS受験料は自己負担となります。MOS受験料は1科目1万円以上かかるため、事前に予算を確認してください。