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CADオペレータの職業訓練(建築CAD、機械CAD)

2017年5月4日

ここではCADを中心に学ぶ職業訓練の紹介や、就職先情報、仕事内容等を紹介します。

通信教育でも1、2位を争うくらい人気のコースです。

CADとは、Computer Aided Designの略です。
設計士やデザイナーが描いた構造物や機械などの設計図を、専用のCADソフトを用いて正確な図面を仕上げるのがCADオペレーターの仕事です。

平面図を描く2次元CADの他に、立体的な図を作成する3次元CADがあります。
CADは多種多様にあり、業界によって使われるCADも異なります。

住宅・構造・土木、工作機械、自動車、航空機、機械部品、電子部品、服飾デザイン等様々な用途があります。大きくは建築系機械系に分かれ、モノづくりの業界では欠かすことができない仕事です

 

建築CAD

訓練内容

製図やCADに関する知識を学習し、製図作成技能及びCAD操作技能について2次元CAD、3次元CADを用いて習得することで、建築CADオペレーターとして製図作成等の作業ができる。

例1.建設CADオペレータ科の訓練内容(4ヶ月コース)

科目 科目の内容 時間
学科 パソコン基礎 パソコンの仕組み、ハードウェアとソフトウェア、オペレーションシステムやアプリケーションソフト
の概要
6
ネットワーク知識 ネットワークの種類や仕組み、インターネットの仕組みや接続方法 6
CAD基本知識 CAD の特徴、データ形式、著作権、CAD システムの知識 6
CAD作図知識 作図、編集等 CAD の作図機能 9
図形知識 図形の基礎知識、立体形状の基本、図形の見方、表現方法 12
製図知識 製図の基礎知識、表現方法 18
安全衛生 安全衛生の必要性、VDT作業、5S、労働作業 3
就職支援 職務経歴書・履歴書の作成指導、面接指導 18
実技 CAD基本実習① AutoCAD基本コマンド(基本操作/応用操作/ファイル管理) 72
CAD作図実習 作図に必要な基本設定(文字スタイル/線の種類・色/寸法スタイル/印刷機能/図枠の作成) 6
CAD一般図面実習 作図補助機能を利用した作図(複雑な図形/立体図/機械部品/平面図/立面図) 66
CAD製図実習 建築製図(平面図/平面詳細図/立面図/断面図/展開図) 96
CAD基本実習② JWCAD基本コマンド(基本操作/基本設定/ファイル管理) 48
CAD基本実習③ AutoCAD 3D 基本コマンド(基本操作/基本編集) 48
職業人講話 6
訓練総時間:420時間

主な取得可能資格

  • CADトレース技能審査建築部門 初級、中級(中央職業能力開発協会)
  • CAD利用技術者試験2級 (一般社団法人コンピュータ教育振興協会)

※いずれも任意受験

主の就職先の業種、職種

建設会社・建築設計専務所・不動産会社などの企業、事務所でCADシステムを利用した設計補助業務及びCADオペレーター

機械系CAD

訓練内容

現在、多くの工業製品はCADで設計し、そのCADデータや図面を元に工作機械で加工を行い製造されています。JIS規格に基づいた機械製図の読み方・描き方や製図に必要な加工の知識を学びます。そしてCADによる図面作成、モデルの作成の技能の習得を目指します。さらに3Dプリンタを用いた造形技術を学びます。

例1.CADオペレーション科の訓練内容(6ヶ月コース)

科目 科目の内容
1ヶ月目 設計製図基本作業 ものづくりをする上で重要となる、JIS規格に基づく機械製図の読み方・描き方の各種技能と関連知識を習得します。
2ヶ月目 CAD基本作業 2次元CADシステムを使用して、図面を作成する技術を習得します。 ※ 使用ソフトはAutoCADです。2次元CADの考え方をしっかり理解することで、他のCADソフトを使用する場合でもスムーズに対応することができます。
3ヶ月目 機械製図関連知識 機械設計概要や測定、機械工作法など機械製図関連の知識を習得します。
4ヶ月目 3次元CAD作業 3次元CADを使用して、部品の立体形状のモデリングや組立、2次元図面化を行う技術を習得します。 ※,使用ソフトはSolidWorksです。3次元CADの考え方をしっかり理解することで、他の3次元CADソフトを使用する場合でもスムーズに対応することができます。
5ヶ月目 3次元CADデザイン作業 3次元CADによる自由曲面(サーフェスモデリング)に関する技能及び関連知識を習得します。※ 使用ソフトはSolidWorksです。「3次元CAD作業」の内容に加えサーフェスという機能を理解することで、複雑な曲面を持つモデルも作成することができます。
6ヶ月目 プロダクトデザイン作業 3Dプリンタを使用した試作品の作成に関する技能及び関連知識を習得します。

主な取得可能資格

・CADトレース技能審査(中央職業能力開発協会)
・CAD利用技術者試験 (社団法人コンピュータソフトウェア協会)
※いずれも任意受験

主の就職先の業種、職種

建設会社・建築設計専務所・不動産会社などの企業、事務所でCADシステムを利用した設計補助業務及びCADオペレーター

まとめ

職業訓練で学んだからと言って、簡単に就職できるわけではありません。
求められる求人については、圧倒的に実務経験者が多いからです。

また年齢にもよりますが、すぐに正社員での就職は厳しいか思われます。
まずは派遣(特に女性希望が多い)等で経験を積み、その後正社員を目指す方が近道かもしれません。

資格はあった方がアピールになりますが、必須ではありません。
しかし実務経験がない場合は取得していたほうが無難でしょう。

業界でよく使われるCADソフトとして、AutoCADとJWCADがあります。
Windowsパソコンがあれば、無料でインストール可能です。

JWCAD(無料)
AUTOCAD(30日無料体験)

CADオペレータの仕事をする上で、メリットデメリットを書いて行きます。

メリット

  • 自分のペースで仕事ができる(配分を考えて仕事のペース調整ができる)
  • 残業が少ない(もちろん納期前は忙しくなる可能性もあります)
  • モノづくりの仕事でもあるため、図面を描くことが自体が楽しい
  • パソコンに向かって黙々とする仕事のため、人に対するストレスは少ない
  • デスクワークであるため、空調の効いた場所で作業できる。季節は関係ない
  • 自らの作成した図面が現場で使われるため、責任感や、やりがいが感じられる

デメリット

  • 設計士やデザイナーより給料が安い
  • 正社員求人が少ない(派遣等の非正規の求人が多い)
  • 経験者を求めている求人が多い
  • 自ら設計するわけではない。始めは単なる一オペレーターである
  • 目・肩・腰に負担がかかる
  • 業界によって専門知識を覚えなければならない
  • 設計士や職人とのコミュニケーションが必要
  • 景気に左右されやすい
  • 突発的な急ぎの修正等の仕事が多い
  • 海外の安いオペレーターに仕事を奪われることもある

CADを勉強することで、CADソフトを操作する技術や、その他の基礎知識が身につくため、就職にはつながりやすい職業訓練です。
ですが「簡単なCADの仕事」は派遣やパートで女性の求人が多く、「重要なポジションのCAD設計」については圧倒的に男性が多い職業です。

 

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