職業訓練に通ってみたいけれど、「実際どうなんだろう?」「本当に就職できるのか?」と不安に感じていませんか?
この記事は、34歳で飲食業から転職するために職業訓練(パソコンコース)を受講した男性の実体験をもとに書かれています。ハローワークでの手続きから、訓練校での日々、就職活動、そして転職成功までの3ヶ月間をリアルに記録しました。
※この記事は実際の体験談です。制度の利用方法や訓練の雰囲気、就職活動の実態など、公式サイトには載っていない「生の声」をお伝えします。職業訓練を検討している方にとって、判断材料の一つになれば幸いです。
なお、記事内の制度情報(給付制限期間など)は2026年1月時点の最新情報に更新していますが、体験談部分は当時のままです(当時の制度や運用が登場する箇所は、誤解しないよう補足しています)。
■目次
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職業訓練を受けようと思った理由:34歳、飲食業からの転職
私が職業訓練に興味を持ったのは、友人が簿記の訓練に通っていたことを知ってからです。それまでは「何となくそういうのがあるなあ」と思っていた程度でした。
前職はブラック企業だった
前職は飲食業。今思えば超絶ブラック企業だったと断言できます。1日12時間労働は当たり前で、その上給料も良くない。時給に換算すれば1000円を超えていなかったと思います。
体力的にも年々限界を感じていたため、退職を決意しました。調理師免許も取得しましたが、もう飲食業はこりごりでした。
34歳での転職は厳しい
34歳での再就職となると、未経験分野では厳しいのが現実です。そこで考えたのが、職業訓練で資格を取ることでした。
ハローワークで失業保険の手続き:給付制限とは
退職後、離職票が届いたのでハローワークで求職の申込みと失業保険の手続きを行いました。
自己都合退職の給付制限
私の場合は自己都合退職になるので、給付制限がつきました。
※2026年1月時点の制度:自己都合退職の給付制限期間は、2025年4月の改正により原則「1ヶ月」に短縮されています(以前は2ヶ月でした)。ただし、この体験談が書かれた当時は3ヶ月の給付制限でした(ここは「当時の体験」と「今の制度」を混同しやすいポイントです)。
給付制限とは、7日間の待期期間満了後、すぐには失業保険が受け取れず、一定期間待たなければならないということです。
8年間雇用保険に入っていても90日しかもらえない
8年間も雇用保険に入っていたのに、実際に受け取れるのは90日のみ(自己都合退職、被保険者期間1年以上10年未満の場合)。それも給付制限期間を待たなければもらえません。貯金も少ない一人暮らしでは、この待機期間は辛いものがあります。
でももう飲食業には戻りたくない。かと言って何か資格や技術を持っているわけでもない。やはり職業訓練に通って、何らかの資格を取るのが良いのではと思い始めました。
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パソコンコースに申し込み:受講指示のメリット
職業訓練についてハローワークで相談してみました。私の場合、今なら「受講指示」で通うことができるとのことでした。
受講指示で通うメリット
「受講指示」で通う場合、以下のメリットがあります。
・交通費(通所手当)も支給される
・訓練初日から給付が始まる(給付制限期間が解除される/原則として待期7日満了後)
特に、給付制限期間を待たずに訓練初日から失業保険が支給されるのが嬉しいポイントでした(ただし、待期期間の7日間は原則として必要です)。
なぜパソコンコースを選んだのか
東京都内なので、職業訓練コースがたくさんあり、なかなか選べませんでした。結局、苦手なパソコン(WordとExcel)の訓練を受けることに決めました。
別に事務職を希望するわけではありませんでしたが、今の時代はパソコンくらいできないと就職できないと思ったからです。今までパソコンは趣味程度にしか触ってこなかったので、これは良い機会だと考えました。
入校試験について:申込書だけで合格
職業訓練は申し込んだら必ず受講できるわけではありません。入校選考があります。
選考方法は訓練校によって異なる
選考方法はさまざまですが、私が受けたコースは公共職業訓練で面接がないコースでした。受講申込書を提出しただけで、あとは結果を待つのみ。なんだか拍子抜けする感じでした。
※多くのコース(特に求職者支援訓練など)では面接試験があります。
職業訓練は原則として同時に複数申し込むことができません。この受講申込書で選考を行うようなので、しっかり丁寧に書くことにしました。特に志望理由欄は小さい文字でびっしりと書きました。
合格通知を待つ日々
やることはやったので、後は合格通知を待つのみでした。
ここで不合格になった場合、再度申し込むつもりはありませんでした。すぐに就職活動をしなければならない状況だったからです。
そして結果は合格。この時は本当に嬉しかったです(当面ゆっくりできると安堵しました)。
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職業訓練生活の始まり:3ヶ月間の日々
無職の生活に慣れてきたところで、いよいよ職業訓練がスタートです。
訓練期間と時間
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・期間:3ヶ月
・訓練時間:朝9時半〜15時50分まで
昼夜逆転の生活が続いていたので、規則正しい生活を取り戻すためにも本当に良かったと思います。初日は入校式とオリエンテーションで、午前中で終わりました。その後は管轄のハローワークに行き、「受講届」などの手続きを行いました。
受講生の年齢層と男女比
同じクラスの受講生は、年代もバラバラでした。
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・年齢層:20代〜30代が中心、60歳くらいの人も数人
・男女比:女性7割、男性3割
パソコンコースの内容
実際のパソコンコースの内容は、以下のようなカリキュラムでした。
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・1ヶ月目:Word
・2ヶ月目:Excel
・その他:PowerPoint、HTML、CSS
授業の雰囲気:わからないことを質問できる環境
座席は事前に決められており、それぞれの机の上にはノートパソコンが各1台置かれていました。
授業の進め方
最初はパソコンの起動や仕組みから教えてもらい、ブラインドタッチについても学ぶことができました。メインの講師は女性で、とてもわかりやすかったです。
私の場合、パソコンは独学でマスターするのが難しいタイプ。一つわからないことがあれば、もう次に進めません。でも職業訓練の場合、たとえわからなくても質問すれば教えてもらえる環境があるのがありがたかった。
比較的ゆっくりと進んでくれていたので、とても助かりました。最初からある程度できる人は退屈だったのかもしれません。実際に「読めばわかる程度の内容だった」と言っていた人もいました。
1日の流れ
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・前半:テキスト中心に先生が解説
・後半:実際にパソコンを操作しながら学ぶ
・試験対策も実施
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教室の雰囲気:問題になるような人はいなかった
クラスに30人近くも人がいれば、いろいろな人がいるのは当たり前です。
最初は緊張、次第に打ち解ける
最初は皆緊張しているせいか、真面目に授業を受けていました。でも次第に慣れてきたのか、徐々に皆打ち解けるようになりました。
私のクラスは問題になるような人はいませんでした(と思います)。基本静かで大人しい人が多く、良い意味で距離を取っていたのかもしれません。
他のクラスでは授業中に私語が飛び交って授業に集中できないこともあるとのことでした。確かにうるさい人はいましたが、そこまで気にならなかったです。結局は運なのかもしれません。
皆慣れるにしたがって打ち解けてきて、途中飲み会などもありました。お互いが損得勘定抜きに接することができるので、年齢性別関係なしに楽しむことができました。
職業訓練が修了した今でも何人かの仲間とは連絡を取り合っています。
職業訓練中の就職活動:3社目で採用
職業訓練は就職するためのもの。これは訓練校側からも何度も言われていました。
就職支援の内容
カリキュラムの中にも就職支援の内容があり、以下のような指導がありました。
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・履歴書や職務経歴書の作成指導
・面接対策(3人一組で面接官役、応募者役を演じる練習)
・求人票の個人宛配布
就職活動に慣れていない私にとって、とても有意義でした。
就職活動日の活用
訓練期間中には、ハローワークへの来所日(指定来所日)や、就職活動のために授業を休んでも欠席扱いにならない日が設けられていました。私はハローワークに行き、求人検索と相談をお願いしました。
なお、指定来所日は「失業の認定」に関わる大事な日です(呼び方や運用はケース・地域で異なるため、案内された日程どおりに動くのが確実です)。
就職成功
そしてインターネットから3社目に応募した求人に採用となりました。
職業訓練を受けて良かったこと・悪かったこと
良かったこと
職業訓練を選択した一番の理由は、ゆっくりしたかったからです。もちろん何かしらの資格が取りたいというのもありましたが、まずはゆっくりのんびりとした生活をしたかったのです(「休む」こと自体が、次の就職のための土台になりました)。
前職で身体を壊しそうになったし、うつやパニック発作のような症状もありました。とにかく心身ともに休みたかったのです。
私は職業訓練に通って良かったと思います。社会人になってこれだけの期間勉強できる機会はそうそうありません。さらに、無料で受講できて、失業保険の延長までしてもらえる。本当に職業訓練は至れり尽くせりの制度だと思います。
中には2回、3回職業訓練を繰り返し受講している人もいましたが、気持ちはわかります。また別な訓練コースを受けてみたいとも思いました。
就職できたのが一番の収穫
でも就職できたのが一番の収穫です。まったくの異業種に転職できたのも職業訓練のおかげ。パソコンができなければ、システム運用の仕事には就職できなかったと思います。
夜勤の仕事もありますが、しっかり定時で帰れるのは本当に素晴らしいことだと思えます。
復習の重要性とMOS資格取得
職業訓練中に心がけていたことは、復習をきっちり行うことです。私の場合は何度も繰り返し操作しないと覚えないタイプでした。
おかげでMOSの資格も取れたし、ある程度の自信にも繋がりました。
唯一嫌だったこと:3分間スピーチ
職業訓練で唯一嫌だったのが3分間スピーチです。人前で話すのに慣れていないので緊張しました。でもいろいろ為になる話も聞くことができたので、結果的には良かったのだろうと思います。
最後に:職業訓練は転職のチャンスになる
もしまた転職する機会があれば、職業訓練も検討したいと思います。でもまた通うようなことがあれば、今の仕事に失敗したということ。それだけは避けたい。
よくある質問
Q1:受講指示で職業訓練に通うには、どうすればいいですか?
ハローワークで失業保険の手続きを行う際に、職業訓練に興味があることを相談してください。ハローワークの担当者が、あなたの状況(失業保険の残日数、就職希望職種、年齢など)を踏まえて、受講指示が出せるかどうかを判断します。一般的に、訓練開始時点で所定給付日数の一定以上(例:3分の2以上など)が残っている必要があります(この「例」は目安で、最終判断は管轄ハローワークになります)。
Q2:自己都合退職でも訓練初日から失業保険がもらえますか?
はい、受講指示を受けて職業訓練に通う場合、自己都合退職による給付制限期間(2026年1月時点では原則1ヶ月)が解除され、待期期間(7日間)満了後、訓練初日から失業保険が支給されます。
Q3:職業訓練の選考で落ちることはありますか?
はい、あります。選考方法は訓練校やコースによって異なりますが、申込書のみ、申込書+面接、申込書+面接+筆記試験などがあります。人気のコースは倍率が高く、定員割れしていても全員が合格するわけではありません。申込書の志望理由欄はしっかり丁寧に書くことが重要です。
Q4:職業訓練中に就職活動は必要ですか?
はい、必要です。職業訓練は就職するためのものであり、訓練校からも就職活動を行うよう指導されます。訓練期間中には指定来所日(認定日)があり、ハローワークで職業相談を行います。
Q5:パソコンが苦手でもパソコンコースについていけますか?
初心者向けのコースであれば、パソコンの起動や基本操作から教えてもらえます。この体験談の筆者も「パソコンは趣味程度にしか触ってこなかった」と言っていますが、3ヶ月でMOS資格を取得し、システム運用の仕事に就職できました。わからないことがあれば質問できる環境があるため、独学よりも習得しやすいでしょう。
Q6:職業訓練で本当に就職できますか?
訓練を受けただけでは就職は保証されませんが、訓練で得た知識やスキル、資格は就職活動で有利になります。この体験談では、3社目の応募で採用されています。ただし、訓練期間中から積極的に就職活動を行うことが重要です。訓練校の就職支援も活用しましょう。
Q7:職業訓練中のクラスの雰囲気はどうですか?
クラスによって雰囲気は異なります。この体験談では「問題になるような人はいなかった」「基本静かで大人しい人が多かった」とありますが、他のクラスでは「授業中に私語が飛び交って集中できない」こともあるようです。受講生の年齢層は幅広く(20代〜60代)、男女比はコースによって異なります。