職業訓練コース一覧

簿記・経理・会計の職業訓練コース、簿記の資格

2017年5月4日

経理の仕事はどんなに小さい会社でも必ず存在します。
個人商店でも必要ですし、商売をしてお金のやり取りが発生すれば必要になる仕事ですから、ニーズが高いのも当然です。

経理の仕事は最終的に売上、経費、利益を管理するのが仕事です。そこには税金の計算もありますし、給与計算や社会保険関係の仕事が付随することもあります。

もっと細かく言えば、毎日の金銭管理から、毎月月末には勘定科目ごとの集計、決算時には勘定科目ごとに集計を行って試算表などを作成し、これらの金額をもとに貸借対照表や損益計算書などの決算書類を作成します。

今はシステム化も進んでおり、以前のように手計算で作業を行うことはありません。会計ソフトに入力すれば、一覧が作成できたりもします。
ですが安易に選んでしまうと、「こんなに難しいとは思わなかった」「自分には向いていない」という人も必ずでてきます。

難しい内容ですが、経理の仕事は事務職でも営業職でも他の仕事にしても必ず役に立つ内容になるでしょう。

 

訓練内容

簿記・会計を学ぶコースです。
企業の経理・財務部門等において必須となる会計の知識を体系的に学習し、財務諸表(貸借対照表・損益計算書・利益処分計算書・附属明細表)の仕組みを理解します。また経理だけでなく、社会保険や給与計算の知識も習得し、経理事務、総務事務、営業事務に対応できる能力を身に付けます。

(訓練コース例)簿記経理科コース

科目 科目の内容 時間
学科 商業簿記3級 小規模企業内で使われる会計知識を身につける
簿記のルール、帳簿の種類、現金預金、商品売買、手形取引、有価証券、有形固定資産、決算
48
商業簿記2級 株式会社内で使われる会計知識・経営管理手法を身につける
有価証券、有形固定資産、特殊商品売買、法人税等と消費税、決算手続き、本支店会計、各種財務諸表の作成方法
84
工業簿記 製造業における原価計算知識をみにつける
工業簿記の基礎、個別原価計算、総合原価計算、孔廟簿記における財務諸表、標準原価計算、直接原価計算、本社工場会計
66
簿記実務演習 各科目で習得した知識の定着を図る演習、日商簿記2級の過去問題、演習問題を勝つようした実践的な問題演習並びに個別解説 54
実技 情報リテラシー OSの基本操作、フォルダ管理、インターネットを利用した情報収集、ビジネスメールの活用 6
電子会計活用技術 会計ソフトを活用した会計処理の流れの習得電子会計データの流れ、各種原始証憑の取り扱い、月次決算、給与決算、各種税金の処理、電子会計情報の活用、電子帳簿類の見方 48

資格取得を意識した内容です。ですが体系的に学ぶことや、実際に企業で使用している会計ソフト(弥生会計等)を使ってのPC操作(エクセルなど)、また給与計算の知識などを学びコースもあります。

主な習得可能資格

従来の紙形式の試験に加えて2020年12月よりネット試験(パソコンで解答)が開始されました。2級と3級であれば、今はどちらも受験可能です。

※東京商工会議所では2023年4月よりネット試験のみとなります。

日本商工会議所簿記2級(日商簿記)の合格率

<日商簿記2級(統一試験・紙方式)>

受験者数 合格者数 合格率
2021年11月 22,626名 6,932名 30.6%
2022年2月 17,448名 3,057名 17.5%
2022年6月 13,118名 3,524名 26.9%
2022年11月 15,570名 3,257名 20.9%

<日商簿記2級(ネット試験)>

受験者数 合格者数 合格率
2021年4月~
2022年3月
106,833名 40,713名 38.1%
2022年4月~
2022年9月
45,861名 17,091名 37.3%

日本商工会議所簿記3級(日商簿記)の合格率

<日商簿記3級(統一試験・紙方式)>

受験者数 合格者数 合格率
2021年11月 49,095名 13,296名 27.1%
2022年2月 44,218名 22,512名 50.9%
2022年6月 36,654名 16,770名 45.8%
2022年11月 32,422名 9,786名 30.2%

<日商簿記3級(ネット試験)>

受験者数 合格者数 合格率
2021年4月~
2022年3月
206,149名 84,504名 41.0%
2022年4月~
2022年9月
95,651名 39,118名 40.9%

主の就職先の業種、職種

企業の経理部門会計事務所税理士事務所

未経験で経理の仕事ははっきり言って少ないです。
若い方ならチャンスはありますが、30代以降の場合は資格を取得してアピールする必要があります。

まずは経理の補助的な仕事から始めます。まずは伝票の作成、記帳、計算、集計などの簡単な仕事から経験を積み、現金出納、試算表の作成、予算、決算、資金計画などの仕事が行えるようにします。決算業務をすべてマスターするには10年程かかると言われています。

中途採用については、決算・財務業務がこなせるなどの経験者が求められる傾向にあります。また経験があれば年齢的な制限は少ない(50代でも就職可能)。
経理部門は、民間企業、各種団体、官公庁など、どこでも必要なセクションなので、職場は全国に広がります。

実際の求人で求められている仕事とは

  • 伝票仕訳、伝票起票、各種申請書作成、現金出納、入出金管理、売掛金・買掛金処理、仕訳・伝票入力(会計ソフト:弥生会計)、経費精算、月次決算、四半期決算、期末決算
  • 月次試算表作成、財務諸表作成、決算作業、データ入力、来客電話応対等
  • 請求書の処理、勘定明細の確認、決算補助(月次、年次)、月次給与の振り込みなど
  • 会計ソフトを使用した売掛金・買掛金管理、仕訳伝票処理、入出金管理、月次決算、収支資料作成
  • 一般経理事務、請求書発行、売掛金管理、電話対応

経理の仕事は、几帳面、忍耐力、注意力、速さ、正確さが求められます。

まとめ

経理職は専門職でもあるため、経理・会計の知識をつけることができれば、正社員として退職まで務められることができます。そこが大きな強みです。
ただし、そこまでの道のりは険しい。一人前になるには10年かかると言われています。
そのため、経理職を希望しているのであれば若い方が有利です。

未経験の場合は、しっかり日商簿記2級までは取得する方がよいでしょう。
3級レベルだと強みにはなりません。
そのために職業訓練で学び、2級を取得して就職活動を行うことも一つの方法かと思います。

簿記の職業訓練で気をつけたいところは、日商簿記2級が取れるコースなのか、それとも3級までのコースなのかしっかり確認することです。

簿記や会計の知識は、たとえ仕事にしなくても日常生活でも役に立ちます。事務職をやるにしても簿記の知識があれば重宝されますし、他の部署でも同様です。
たとえ経理として目指さなくても、事務職を希望しているのであれば大きな武器になります。

 

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