求職者支援訓練を受講しながら職業訓練受講給付金(月額10万円+交通費)を受け取る場合、支給単位期間ごとに出席率8割以上という厳しい条件があります。
「あと何日休める?」「遅刻したらどうなる?」「やむを得ない理由でも8割切ったらアウト?」など、実際に訓練に通う人が最も不安に思うポイントを、具体的な計算例とともに解説します。
※「どんな理由なら休んでも大丈夫か(やむを得ない理由の詳細)」については、以下の記事で詳しく解説しています。
■目次
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給付金支給の3つの絶対条件
職業訓練受講給付金を受け取るには、以下の条件を支給単位期間(約1ヶ月)ごとにすべて満たす必要があります。
【給付金支給の3つの条件】
- やむを得ない理由以外で欠席・遅刻・早退をしないこと
- やむを得ない理由がある場合は、必ず証明書類を提出すること
- やむを得ない理由があっても、出席率8割以上を維持すること
多くの人が誤解しているのは、「8割出席すれば何でもOK」ではないという点です。寝坊や私用での欠席は、たとえ1回でもその月の給付金が全額不支給になります。
「支給単位期間」とは何か
給付金の判定は、訓練期間全体ではなく「支給単位期間」という約1ヶ月ごとの区切りで行われます。
例えば3ヶ月コースなら、支給単位期間は3回あり、それぞれの期間で8割以上の出席が必要です。
支給単位期間の具体例
例:5月14日開講、8月5日終了の3ヶ月コース
| 回数 | 期間 |
|---|---|
| 1回目 | 5月14日~6月13日 |
| 2回目 | 6月14日~7月13日 |
| 3回目 | 7月14日~8月5日 |
それぞれの期間で、月に1回ハローワークへ行き(指定来所日)、出席率や収入要件などを確認して給付金を申請します。
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出席率8割の計算方法
出席率の計算式は以下の通りです。
出席日数 ÷ 訓練実施日数 ≧ 0.8(80%)
この計算で0.8以上になれば給付金が支給され、0.8未満なら不支給です。
訓練日数別:何日休めるかシミュレーション
訓練実施日数は月によって異なります(祝日や訓練校のスケジュールによる)。以下、パターン別に「あと何日休めるか」を示します。
| 訓練実施日数 | 必要出席日数(8割) | 休める日数(最大) |
|---|---|---|
| 20日間 | 16日以上 | 最大4日まで |
| 18日間 | 14.4日→15日以上 | 最大3日まで |
| 15日間 | 12日以上 | 最大3日まで |
| 12日間 | 9.6日→10日以上 | 最大2日まで ※3日休むと75%でアウト |
※端数が出た場合(例:14.4日)は切り上げて考えるのが安全です。ハローワークの運用により扱いが異なる場合があるため、事前に確認してください。
遅刻・早退は「0.5日出席」扱いになる
職業訓練では、少しの遅刻でも「1日出席」とは認められません。ただし、1日の訓練時間の半分以上に出席していれば「0.5日出席(半日欠席)」としてカウントされます。
0.5日出席になる条件
「1日の訓練時間(時限数)の半分以上」に出席していること
【例:1日6時限の授業の場合】
- 3時限以上出席した → 0.5日出席(0.5日欠席)
- 2時限しか出席しなかった → 1日欠席
注意点:
遅刻により「当該時限の一部」しか出られなかった場合、そのコマは欠席扱いになります。例えば「1限目の開始10分後に教室に入った」場合、1限目は欠席扱いとなり、出席時限数にカウントされません。
0.5日欠席が積み重なるとどうなる?
支給単位期間の最後に合計され、端数は切り捨てられます。
- 遅刻2回(0.5日欠席×2) = 1日欠席
- 遅刻3回(0.5日欠席×3 = 1.5日欠席) = 1日欠席(0.5は切り捨て)
つまり、遅刻3回でも「2日欠席扱い」にはならず、「1日欠席扱い」になるため、この点は有利に働きます。
※ただし、これは給付金計算上の話です。訓練校の修了要件としての出席率計算では厳しく判定されることがあるため、必ず訓練校に確認してください。
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知っておきたい裏ワザ:訓練実施日から除外できる特別な休み
実は、出席率の計算において「訓練実施日数(分母)」から除外できる特別な休みがあります。
通常の病欠は「欠席」としてカウントされますが、以下の理由は「そもそも訓練がなかったもの」として計算式から除外できるため、8割要件を維持しやすくなります。
【訓練実施日から除外できる理由の例】
- 親族の葬儀(忌引)
- 感染症(インフルエンザ・新型コロナ等で出席停止になる場合)
- 災害(台風等で通所困難な場合)
- 裁判員に選任された場合
除外ルールの具体例
例:20日間の月で、インフルエンザで5日休んだ場合
【通常の計算】
15日出席 ÷ 20日 = 0.75(75%) → 不支給✕
【除外認定された場合】
15日出席 ÷ 15日実施 = 1.0(100%) → 支給◯
休んだ5日が分母から消えるため、出席率が100%になります。
重要: これには厳格な証明書(医師の診断書など)が必要です。必ず事前にハローワークへ相談してください。
不支給が確定する2つのパターン
給付金が貰えなくなるケースは、大きく2つに分かれます。
パターン1:その月だけ不支給になるケース
- やむを得ない理由(病気など)だが、出席率が8割を下回った
- やむを得ない理由の証明書が提出できなかった
この場合、その月は0円ですが、翌月また要件を満たせば給付金は復活します。
パターン2:支援指示が取り消されるケース(最悪)
- やむを得ない理由以外で休んだ・遅刻した(寝坊、遊び、私用など)
- 指定来所日にハローワークへ行かなかった
- 収入要件(月8万円以下など)を満たさなかった
これらを繰り返すと、ハローワークから「支援指示」が取り消され、訓練自体を受けられなくなる(退校)可能性があります。
特に、不支給が3回繰り返されると、支給済みの給付金の返還を求められる場合もあります。
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出席率8割を守るための実践的なコツ
給付金を確実に受け取るために、以下の点を意識してください。
1. 体調管理を徹底する
風邪やインフルエンザで休むと、出席率が一気に下がります。手洗い・うがい・睡眠をしっかり取り、予防を最優先にしてください。
2. 通勤時間に余裕を持つ
電車遅延は「やむを得ない理由」ですが、遅延証明書が必要です。遅延が多い路線の場合、早めに家を出る習慣をつけましょう。
3. 面接は必ず事前報告する
企業面接は「やむを得ない理由」ですが、事前に訓練校とハローワークへ報告し、面接証明書をもらってください。
4. 病院に行ったら必ず領収書をもらう
風邪程度でも、必ず病院を受診し、領収書をもらう癖をつけましょう。市販薬のレシートでは認められません。
5. 「8割ギリギリ」を狙わない
「20日のうち4日休める」からといって、4日休むのは危険です。急な病気や交通トラブルに備え、できる限り100%出席を目指してください。
まとめ
職業訓練受講給付金の出席率8割ルールは、雇用保険(失業保険)よりもシビアです。
- 支給単位期間ごとに8割以上の出席が絶対条件
- 遅刻・早退は0.5日出席としてカウント
- 除外ルールを知っておけば、インフルエンザや忌引でも給付金を守れる
- 寝坊や私用での欠席は一発で不支給の可能性
- 不支給3回で給付金返還命令のリスク
「どんな理由なら休んでも大丈夫か」「証明書類は何が必要か」については、以下の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
職業訓練は月に何日休めますか?
支給単位期間(約1ヶ月)の訓練実施日数によりますが、出席率8割が必要なため、20日間の月なら最大4日、18日間の月なら最大3日まで休めます。ただし、すべて「やむを得ない理由(病気や就職活動)」である必要があります。
遅刻や早退はどう計算されますか?
1日の授業時間の半分以上(6時限授業なら3時限以上)出席していれば「0.5日出席」として扱われます。半分未満の出席だと「1日欠席」扱いになります。
やむを得ない理由でも8割を下回ったら不支給ですか?
はい、不支給です。たとえ病気や面接など正当な理由であっても、出席率が8割未満になると、その月の給付金は支払われません。これが最も厳しいルールです。
インフルエンザで1週間休んだら給付金はもらえませんか?
インフルエンザなどの感染症は「訓練実施日からの除外」が認められる場合があります。その場合、休んだ日は計算の分母から外れるため、他の日に出席していれば給付金を受け取れる可能性があります。必ず医師の証明書が必要です。
不支給が3回になるとどうなりますか?
不支給が3回繰り返されると、支給済みの給付金の返還を求められる可能性があり、訓練の受講継続ができなくなる(退校)場合もあります。


