職業訓練受講給付金をもらいながら訓練に通う場合、原則として「全日出席」が義務です。
ですが、人間ですから病気にもなりますし、親族の不幸が起きることもあります。
しかし、人間ですから病気にもなりますし、親族の不幸が起きることもあります。そういった場合に「不支給(ペナルティ)」を回避するためのルールが「やむを得ない理由」です。
この記事では、公的資料(求職者支援制度・訓練受講のしおり)に基づき、認められる理由の範囲と必要な証明書類について解説します。
※出席率の計算方法(何日休んだらアウトか)については、以下の記事をご覧ください。
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■目次
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「やむを得ない理由」の基本ルール
給付金を受け取るためには、以下の2点を満たす必要があります。
- ハローワークが定める「やむを得ない理由」に該当すること
- その事実を証明する「証明書類」を提出すること
この2つが揃って初めて、欠席しても「正当な欠席」として扱われ、出席率が8割以上残っていれば給付金が支給されます。
逆に言えば、どんなに高熱が出ていても、領収書(証明書)がなければ「自己都合の欠席」となり、その月は不支給確定です。
認められる理由一覧と必要書類
「求職者支援制度・訓練受講のしおり」に記載されている正式な理由と証明書は以下の通りです。
1. 本人の病気・ケガ
最も多い理由です。風邪、発熱、腹痛、歯痛などが該当します。
- 必要書類: 病院の領収書、処方箋の写し、医師の診断書など(日付・氏名・病院名が入ったもの)
- 注意点: 基本的には医師の診断(病院の領収書)が確実です。市販薬のレシート(薬局で買った風邪薬など)と「申告書」でも認められる場合がありますが、判断が厳しくなることもあるため、可能な限り病院を受診することをおすすめします。
2. 親族の看護・介護
子供の急な発熱や、親の介護が必要な場合です。
- 対象範囲: 6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族。
- 必要書類: 子供が受診した病院の領収書、介護施設等の利用証明書、要介護認定書など。
- 小学校就学前の子については、予防接種や健康診断を受けさせる場合も認められます。
3. 親族の不幸(忌引)・結婚
葬儀や結婚式への出席です。
- 対象範囲: 本人または親族(6親等以内の血族、3親等以内の姻族)の葬儀・結婚。
- 必要書類: 会葬礼状、死亡診断書の写し、結婚式の招待状など。
- ポイント: 葬儀の場合は「訓練実施日からの除外(出席率計算の分母から外す)」措置が受けられる場合があります。
4. 採用面接・試験・ハローワークの指導
就職活動に関するものです。
- 認められるもの: 企業の採用面接、国家試験・検定試験の受験、ハローワークが指示したセミナー受講。
- 認められないもの: 自主的なハローワークでの求人検索、単なる職業相談(指定来所日を除く)。
- 必要書類: 面接証明書(企業に書いてもらう)、受験票、参加証など。
5. 交通機関の事故・遅延
電車やバスの遅れです。
- 必要書類: 遅延証明書(駅でもらうか、WEB発行のもの)。
- 注意点: 「いつも遅延する路線だから」という理由は通用しません。毎回遅延証明書が必要です。
6. 天災その他やむを得ない理由
- 水害、火災、地震、暴風雨雪、暴動など
- 裁判員、証人、鑑定人として国会・裁判所・官公署に出頭する場合
- 選挙権その他公民としての権利を行使する場合
必要書類: それぞれの事実を証明する書類(裁判所からの通知書、選挙の投票済証など)。
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証明書類を出すタイミングと注意点
証明書類は、月に1回の「指定来所日(給付金申請日)」にハローワークへ提出します。
この日に書類を忘れると、「やむを得ない理由」として認められず不支給になる恐れがあります。原本提示を求められることが多いので、必ずなくさないように保管しておきましょう。
原本を失くした場合は?
病院の領収書を紛失した場合、再発行してもらえるか病院に確認してください。再発行できない場合は、診療明細書や処方箋の写しで代用できることもありますが、必ずハローワークに事前相談してください。
「自己都合」と判断される危険なケース
以下は「やむを得ない理由」として認められず、自己都合扱いで即不支給になるケースです。
- 寝坊による遅刻・欠席
- 旅行やレジャー
- 友人との約束
- 引っ越し作業(事前に計画できるため)
- ハローワークでの単なる求人検索
「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断が命取りになります。迷ったら必ず事前にハローワークへ確認してください。
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まとめ:自己判断せず必ず相談を
なぜ職業訓練受講給付金はこんなに厳しいのか
「寝坊1回で10万円没収は厳しすぎる」と感じる人は多いでしょう。しかし、この厳しさには理由があります。
職業訓練受講給付金の前身である「基金訓練」では、「理由を問わず8割出席すれば支給」という緩いルールでした。その結果、「給付金目当てで真面目に通わない人」が急増し、税金の無駄遣いとして社会問題になりました。
そのため2011年に制度が見直され、「本当に就職する意欲がある人だけに支給する」という厳格な制度に変わったのです。
国の予算(税金)を使っている以上、「寝坊」や「遊び」での欠席は「就職意欲がない」と判断され、即不支給になります。会社員なら「寝坊で遅刻」は注意で済みますが、給付金を受け取る立場では、それが許されない厳しさがあるのです。
「やむを得ない理由」に該当するかどうかは、最終的にハローワークが判断します。
「たぶん大丈夫だろう」と思って休んだら、後で認められずに10万円が不支給になった、というケースは後を絶ちません。少しでも迷う理由(法事、特定の検定試験など)の場合は、休む前に必ずハローワークへ電話で確認しましょう。
【重要ポイント】
- 休むなら必ず「証明書類(領収書など)」をもらう癖をつける
- 友人の結婚式や旅行は「自己都合」=即アウト
- やむを得ない理由でも、トータルの出席率が8割を切ると不支給
- 市販薬で済ませる場合もレシートが必須(できれば病院受診推奨)
- 証明書類の原本は指定来所日まで大切に保管
出席率の計算については、以下の記事でシミュレーションしています。
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よくある質問
風邪で病院に行かずに市販薬で治した場合は認められますか?
認められる場合があります。その際は「購入したレシート」と「申告書」の提出が必要です。ただし、医師の診断書(領収書)がある方が確実ですので、可能な限り病院を受診することをおすすめします。
友人の結婚式で休むことはできますか?
休むことは可能ですが、「やむを得ない理由」にはなりません。自己都合の欠席扱いとなり、その月の給付金は全額不支給となります。
就職活動でハローワークに行くために休むのは認められますか?
単なる求人検索や窓口相談のための欠席は認められません。ハローワークが指示したセミナー受講や、企業面接などが「やむを得ない理由」の対象です。通常の求職活動は訓練時間外に行う必要があります。
整骨院や接骨院の治療は認められますか?
原則として認められませんが、医師の同意書がある場合や柔道整復師による施術の場合は認められことがあります。必ず事前にハローワークへ確認してください。
子供の予防接種で休むことはできますか?
小学校就学前の子については、予防接種や健康診断を受けさせる場合も「やむを得ない理由」として認められます。病院の領収書や接種証明書が必要です。
証明書類の原本を紛失した場合はどうすればいいですか?
病院の領収書を紛失した場合、再発行してもらえるか病院に確認してください。再発行できない場合は、診療明細書や処方箋の写しで代用できることもありますが、必ずハローワークに事前相談してください。
Q. 整体や整骨院は認められる?
原則として、医師による治療ではないため認められないケースが多いです。ただし、医師の同意がある場合や柔道整復師の施術など、ハローワークによって判断が分かれるため、事前に確認が必要です。
Q. 歯医者は認められる?
緊急性のある治療(激痛、抜歯など)は認められますが、定期検診や予防的なクリーニングは認められないことが一般的です。歯科医院の領収書が必要です。
Q. 友人の結婚式は?
認められません。
認められるのは「本人または親族」の結婚のみです。友人の結婚式に出席して休んだ場合、自己都合欠席となり、その月は不支給になります。
Q. 子供の学校行事(入学式・卒業式)は?
中学生以下の子の入学式・卒業式は認められます。ただし、運動会や授業参観は認められないことが一般的です。
Q. 法事(命日の法要)は?
配偶者、3親等以内の血族または姻族の命日の法事は認められます。ただし、証明書類(寺からの証明書など)が必要です。
