職業訓練とは

職業訓練の費用はいくらかかる?無料の条件と給付金・手当を解説

2017年9月24日

「職業訓練に通いたいけれど、いくらかかるのか不安」「失業保険がない場合、生活費はどうすればいいの?」そんな疑問を抱えている方は多いはずです。

結論から言うと、職業訓練の受講料は基本的に無料です(一部の長期コースを除く)。ただし、テキスト代や交通費は別途かかりますし、訓練期間中の生活費をどう確保するかが最大の問題になります。

実は、ハローワークからどの「指示」を受けて訓練に通うかによって、かかる費用が大きく変わります。「受講指示」で通えば原則として失業保険が訓練終了まで延長され、交通費も支給されます。一方、「受講推薦」や「支援指示」では待遇が大きく異なり、場合によっては訓練期間中の収入が実質ゼロになることもあります。

先に全体像だけまとめると、目安は次のとおりです。

  • 受講料:基本無料(例外:1年・2年コースは年12万円程度)
  • テキスト代:1〜3万円程度(コースにより増減)
  • 交通費:受講指示なら通所手当の対象になりやすい/それ以外は原則自己負担
  • 生活費:失業保険や給付金がないと自己負担(ここが一番大きい)

この記事では、職業訓練にかかる費用の全体像と、失業保険の有無による違い、さらには訓練期間中の生活費をどう確保するかまで、徹底的に解説します。

 

職業訓練にかかる費用の全体像

まず、職業訓練に通う際にかかる費用を整理しましょう。

受講料:基本無料(一部例外あり)

職業訓練の受講料は基本的に無料です。これは、国や都道府県が運営費を負担しているためです。

ただし、以下の長期コースでは受講料が必要になります。

  • 1年コース・2年コース:年間12万円程度の受講料

例えば、2年間の専門課程に通う場合、合計で約24万円の受講料がかかります。ただし、これでも一般の専門学校に比べれば格安です。

テキスト代:1〜3万円程度

訓練コースによって異なりますが、テキスト代は1〜3万円程度が一般的です。IT系やデザイン系など専門性の高いコースでは、5万円を超える場合もあります。

交通費:自己負担になる場合も

交通費は、ハローワークからどの指示を受けて通うかによって変わります

  • 「受講指示」で通う場合:交通費支給(通所手当)の対象になりやすい(上限・条件あり)
  • 「受講推薦」「支援指示」で通う場合:原則自己負担(一部例外あり)

自己負担の場合、3ヶ月〜6ヶ月分の交通費は決して小さな金額ではありません。

生活費:訓練期間中の最大の問題

実は、訓練期間中に最もお金がかかるのは生活費です。訓練期間は最低でも3ヶ月、長ければ6ヶ月〜2年に及びます。この間の生活費をどう確保するかが、職業訓練を受ける上での最大の課題です。

失業保険を受けながら通える場合は問題になりにくいですが、失業保険がない場合や、給付金の要件を満たさない場合は、訓練期間中の主な収入がなくなる(または極端に少なくなる)ことがあります。

「受講指示」「受講推薦」「支援指示」とは?

職業訓練に通う際、ハローワークから以下の3つのいずれかの「指示」を受けます。どの指示を受けるかによって、かかる費用や受け取れる手当が大きく変わります

受講指示、受講推薦、支援指示の優先順位

受講指示:最もメリットが大きい

条件:失業保険(雇用保険)を受給中で、所定給付日数の残りが一定以上ある方

メリット

  • 失業保険が訓練終了まで延長される(原則)
  • 交通費が支給される(通所手当・上限や対象条件あり)
  • 受講手当が支給される(1日500円×最大40日分=2万円)

受講指示を受けて通うのが、最もメリットの大きい職業訓練の受け方です。特に2年コースなどの長期訓練に通う場合、そのメリットは計り知れません。受講料も格安(年12万円程度)で、2年間失業保険を受けながら通えるのです。

受講推薦:延長なし・交通費自己負担

条件:失業保険を受給中だが、所定給付日数の残りが少なく、受講指示の要件を満たさない方

デメリット

  • 失業保険の延長なし(訓練中に給付が終わる)
  • 交通費は自己負担
  • 受講手当なし

受講指示に比べて明らかに不利な状況です。職業訓練に通う場合は、失業保険の残日数が十分に残っているうちに、早めに申し込む必要があります。

※ただし、一定の要件(世帯所得や貯蓄など)を満たす場合は、「職業訓練受講給付金」(月10万円+交通費)を受けながら通うこともできます。これを「支援指示」と言います。

支援指示:失業保険がない方向け

条件:失業保険がない方、または失業保険が終了した方で、一定の要件を満たす方

メリット(要件を満たす場合)

  • 職業訓練受講給付金:月10万円
  • 交通費の支給

失業保険がなくても、要件を満たせば月10万円の給付金を受け取れます。ただし、要件は厳しく、世帯全体の収入や貯蓄額などが審査されます。

詳細は以下のページをご覧ください。
職業訓練受講給付金 10万円の支給要件
「受講指示」「受講推薦」「支援指示」について

公共職業訓練の費用(失業保険がある場合)

公共職業訓練は、主に失業保険の受給資格がある方が優先される訓練です。

受講指示で通う場合(最もお得)

かかる費用

  • テキスト代のみ(1〜3万円程度)

受け取れる手当

  • 失業保険(訓練終了まで延長・原則)
  • 交通費(通所手当・上限や対象条件あり)
  • 受講手当(1日500円×最大40日分)

この条件で通えれば、訓練期間中の経済的な不安はほとんどありません

受講推薦で通う場合(不利)

かかる費用

  • テキスト代(1〜3万円程度)
  • 交通費(3〜6ヶ月分)

受け取れる手当

  • 失業保険(残日数分のみ、延長なし)

訓練中に失業保険が終了すると、その後は収入が実質ゼロになりやすくなります(職業訓練受講給付金の要件を満たさない場合)。

失業保険がない場合

かかる費用

  • テキスト代(1〜3万円程度)
  • 交通費(3〜6ヶ月分)
  • 生活費(全額自己負担、ただし給付金の要件を満たせば月10万円支給)

失業保険がない場合でも公共職業訓練に通うことは可能ですが、入校選考の優先順位が下がるため、合格が難しくなります。

求職者支援訓練の費用(失業保険がない方向け)

求職者支援訓練は、失業保険を受け取れない方が優先される訓練です。もちろん、失業保険を受給中の方も受講できます。

求職者支援訓練に通う場合は、給付金の対象になるかどうかの判定に関わるため「支援指示」という言葉が中心になります(受講指示・受講推薦は主に公共職業訓練で使われる区分です)。

失業保険がある場合

かかる費用

  • テキスト代
  • 交通費

受け取れる手当

  • 失業保険(残日数分のみ、延長なし)
  • 失業保険終了後、要件を満たせば職業訓練受講給付金(月10万円+交通費)

失業保険がない場合

かかる費用

  • テキスト代
  • 交通費(給付金の要件を満たせば支給)

受け取れる手当

  • 職業訓練受講給付金(月10万円+交通費)※要件を満たす場合のみ

訓練期間中の生活費をどう確保するか

職業訓練に通う際、最も大きな問題は訓練期間中の生活費です。

失業保険を受け取れる場合

失業保険を受けながら通える場合は、生活費の心配はほとんどありません。特に「受講指示」で通える場合は、訓練終了まで失業保険が延長されるため、安心して訓練に集中できます。

失業保険がない・給付金の要件を満たさない場合

この場合、訓練期間中の公的な収入がほぼなくなる可能性があります。3ヶ月〜6ヶ月分の生活費を事前に準備しておく必要があります。

貯金がない場合、職業訓練中にアルバイトをする方も大勢います。ただし、訓練とアルバイトの両立は簡単ではありません。訓練期間中は予習復習も必要ですし、課題も出されます。体力的にも精神的にも負担が大きいことを覚悟する必要があります。

その他の費用

訓練期間中には、以下のような費用も発生する可能性があります。

  • 資格取得の受験料
  • 実習用の道具・材料費(一部のコース)
  • 訓練校での飲食費

受講指示を受けるためのタイミングが重要

繰り返しになりますが、受講指示を受けて通うのが最もメリットが大きいです。そのためには、失業保険の残日数が十分に残っているうちに職業訓練に申し込む必要があります。

残日数が足りなくなってから申し込むと、「受講推薦」になってしまい、失業保険の延長がなくなります。訓練期間が長いほど、このタイミングは重要です。

在職中の方は、退職日も含めて十分に計画を立てた上で職業訓練を検討しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 職業訓練は本当に無料ですか?

はい、受講料は基本的に無料です(1年・2年コースを除く)。ただし、テキスト代は別途必要です。

Q2. テキスト代はいくらくらいかかりますか?

訓練コースによって異なりますが、1〜3万円程度が一般的です。IT系やデザイン系など専門性の高いコースでは、5万円を超える場合もあります。

Q3. 職業訓練受講給付金の月10万円は誰でも受け取れますか?

いいえ。世帯全体の収入や貯蓄額など、厳しい要件があります。詳しくは職業訓練受講給付金 10万円の支給要件をご覧ください。

Q4. 受講指示と受講推薦の違いは何ですか?

最大の違いは、失業保険が訓練終了まで延長されるかどうかです。受講指示なら延長されますが、受講推薦では延長されません。また、受講指示なら交通費も支給されますが、受講推薦では自己負担になります。

Q5. 訓練期間中にアルバイトはできますか?

できます。ただし、失業保険を受け取っている場合は、アルバイト収入によって失業保険の支給額が減額される場合があります。また、訓練とアルバイトの両立は体力的にも精神的にも負担が大きいことを覚悟する必要があります。

Q6. 2年コースの受講料12万円は一括で払う必要がありますか?

訓練校によって異なりますが、多くの場合は分割払いが可能です。詳細は訓練校に確認してください。

Q7. 交通費はどのくらい支給されますか?

「受講指示」で通う場合、実費相当額が支給されます(上限あり)。ただし、自家用車での通学は原則として支給対象外です(公共交通機関がない場合などは例外)。

まとめ:職業訓練にかかる費用は「指示」次第

職業訓練にかかる費用をまとめると、以下のようになります。

  • 受講料:基本無料(1年・2年コースは年12万円程度)
  • テキスト代:1〜3万円程度
  • 交通費:受講指示なら支給(上限・条件あり)、それ以外は原則自己負担
  • 生活費:失業保険or給付金がない場合は全額自己負担

最も重要なのは、ハローワークからどの「指示」を受けて通うかです。

  • 受講指示:失業保険が訓練終了まで延長、交通費支給、受講手当あり(最もお得)
  • 受講推薦:失業保険の延長なし、交通費自己負担(不利)
  • 支援指示:要件を満たせば月10万円+交通費支給

受講指示を受けるためには、失業保険の残日数が十分に残っているうちに申し込むことが重要です。在職中の方は、退職日も含めて綿密に計画を立てましょう。

職業訓練は、正しく活用すれば経済的な負担を最小限に抑えながら、新しいスキルを身につける絶好の機会です。自分の状況をよく確認し、最適なタイミングで申し込んでください。

 

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