主にJavaプログラミング言語を学ぶ職業訓練です。
プログラミング初心者を対象にコンピュータの基礎から訓練を始め、最終的にはAndroidアプリケーションを自分で開発できるレベルまでを目指します。
Android端末(スマートフォン型、タブレット型)向けにゲームやアプリケーションを作成します。「こんなアプリがあったら便利だな」「こんなアプリが作りたい」というように、実際に自分自身で作れることが魅力です。
Javaプログラミング言語を学んで、スマートフォン等のアプリケーションを作成する職業訓練ですが、ただプログラミングを学ぶだけでなく、その作品を通してどのように作り上げていくか(設計)も勉強します。
■目次
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職業訓練でプログラミングを学んで就職できるのか
結論から言うと、未経験から職業訓練だけでプログラマーに就職するのは可能ですが、相当な努力が必要です。
就職が難しい理由
- IT業界は実務経験者を優遇する傾向が強い
- 3〜4ヶ月の訓練では実務レベルに到達しないことが多い
- ポートフォリオ(作品集)のクオリティが就職の成否を分ける
- 年齢面では採用傾向に差が出やすい(20代が有利になりやすく、30代以降は実務経験が求められやすい)
- 自主学習を継続できる人とできない人で大きな差がつく
職業訓練を活かすポイント
- 訓練期間中にできるだけ多くのアプリを作成する
- 訓練時間外も自主学習を継続する(1日2〜3時間以上)
- GitHubでポートフォリオを公開する(作品の置き場として採用担当が見やすい)
- 資格(Oracle認定Javaプログラマ Bronze SE/Silver SE)を取得する
- 未経験OKの企業、SES(客先常駐型の開発会社)も選択肢に入れる
- Web系だけでなくアプリ開発、業務システム開発も視野に入れる
現実的なキャリアパス
- 訓練修了後、未経験OKのIT企業に就職(年収250〜350万円)
- 実務経験を1〜3年積む
- スキルアップして転職、または社内でキャリアアップ
プログラミングに素質は必要か
プログラミングの素質について、よく「向き不向きがある」と言われます。これは半分本当で、半分誤解です。
素質よりも重要なこと
- 論理的思考力(これは訓練で鍛えられる)
- 問題解決への粘り強さ
- 継続的に学習できる習慣
- エラーに挫けずに調べて解決する姿勢
- 英語のドキュメントを読む抵抗感のなさ
優秀なプログラマと標準的なプログラマとの仕事効率の差は10倍以上とも言われていますが、これは「生まれつきの素質」ではなく、「学習量と経験の差」が大きな要因です。
向いている人
- 論理的に物事を考えるのが好き
- ゲームやパズルが好き
- 新しい技術を学ぶのが苦にならない
- 一人で黙々と作業するのが好き
- エラーが出ても諦めずに調べられる
向いていない人
- すぐに答えを求めてしまう
- エラーが出ると挫折してしまう
- 継続的な学習が苦手
- 英語のドキュメントを読むのが苦痛
- 一人で作業するのが苦手
「プログラミングの素質がないかも」と不安に思っている方は、まず無料のプログラミング学習サイト(Progate、ドットインストールなど)で1〜2週間学習してみることをオススメします。それで「楽しい」と感じられれば、素質は十分にあります。
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訓練内容
コース例1. Webアプリ・Android(アプリ・ゲーム)プログラミング科(4ヶ月コース)
※求職者支援訓練
コンピュータソフトウェア開発企業が求める、Javaプログラム技術者を目指します。サーブレット(Webアプリケーション実習)まで習得し、インターネット上でのシステム開発ができるようになります。
さらに、Androidのアプリケーションやゲームソフトのベースとなる開発ができるようになります。また、セキュリティ対策(基本的な考え方や手法)も学びます。
| 科目 | 科目の内容 | 時間 | |
|---|---|---|---|
| 学科 | 就職支援 | 履歴書の書き方、面接の受け方、自己アピール | 18 |
| アルゴリズム | 流れ図の作成方法、探索アルゴリズムの手法とその種類 | 12 | |
| アプリケーション開発手順 | VDT作業と安全衛生、アプリケーションの設計、構造化設計、オブジェクト指向の設計、プログラムテスト、上流工程から下流工程までの各プロセス | 6 | |
| 実技 | Javaアプリケーション実習Ⅰ | Java言語を利用したプログラム作成、Java言語の基本を学習 | 30 |
| Javaアプリケーション実習Ⅱ | 例外処理の作成、継承と抽象クラス | 30 | |
| Javaアプリケーション実習Ⅲ | オブジェクト指向プログラミング、パッケージ、インタフェース、リソース、ストレージ実習 | 30 | |
| サーバーサイドプログラミング実習Ⅰ | サーブレット・JSPの基本、サーバーサイド言語開発 | 30 | |
| サーバーサイドプログラミング実習Ⅱ | プログラムの設計、MVCモデル | 30 | |
| サーバーサイドプログラミング実習Ⅲ | Webアプリケーションとデータベースの連携、セキュリティ対策 | 30 | |
| サイト構築実習 | Webアプリケーション開発手順、グループでのWebサイト構築、詳細設計、テスト設計、結合テスト | 30 | |
| Androidアプリケーション実習Ⅰ | 環境構築、シミュレータ・エミュレータなどのテスト環境を利用、ユーザインタフェースプログラミング | 42 | |
| Androidアプリケーション実習Ⅱ | ソフトウェアコードの作成、コーディング規約を策定 | 30 | |
| Androidアプリケーションゲーム開発実習 | GUIベースのプログラミング、データベースアクセスのプログラミング、画面アクセスのプログラミング(ゲーム制作:カードゲーム、シリアスゲーム) | 30 | |
| ハッキング対策実習 | セキュリティの概要、コマンドやツールを使ったハッキング方法 | 12 | |
| 企業実習 | 54 | ||
| 総訓練時間:414時間 | |||

コース例2. Javaプログラミング科(6ヶ月コース)
※求職者支援訓練
IT関連企業でのプログラミング関連の業務に携わる一員として、Java言語、データベース、XHTMLを使用したエンタープライズな業務を遂行できるスキルを学習します。
カリキュラムの総仕上げ「Webサイト構築演習」では、実務で使用する仕様書を基にシステムを構築するとともに、業務の進捗を管理する手法を習得し、求人需要の多い動的Webサイトの開発運用可能な即戦力の人材育成を目指します。
| 科目 | 科目の内容 | 時間 | |
|---|---|---|---|
| 学科 | 就職支援 | 就職活動スケジュールの作成、面接のロールプレイング、履歴書、職務経歴書の作成指導 | 6 |
| 安全衛生 | VDT作業と安全衛生 | 2 | |
| プログラミング概論 | プログラミング概要(記述方法、プログラミングの流れ、データ表現形式、ハードウェアとソフトウェア、ネットワーク)・Linux(CentOS)の基礎知識(コマンド、設定ファイル、Viエディター) | 33 | |
| Java専門技術理論 | 高度な繰り返し文、複雑な配列とコレクション、パッケージとインポート、オーバーロード、オーバーライド、例外、ガーベッジコレクションなど | 35 | |
| 実技 | Java基本演習 | 総合開発環境ツールEclipseの使用(使用言語:Java)、一般的なプログラミング文法(使用言語:Java)、変数の概念、演算子、条件分岐、繰り返し、処理の流れ(アルゴリズム)、フローチャート作成手順、読み解きと記述、簡単なプログラムの設計、開発技術 | 60 |
| Javaオブジェクト指向 | 配列(一次元、多次元、配列と繰り返し)、オブジェクト指向(汎用的なクラスの設計、クラスの継承、インターフェースの実装、オーバーライド、例外処理)、ポリモーフィズムの実践手法(使用言語:Java) | 90 | |
| Java API | ファイルI/O、Stringクラス、StringBufferクラス、Objectクラス、ラッパークラス、Collectionとジェネリックス、正規表現、HTTP通信、JSONなど、実践的なプログラミング技法(使用言語:Java、SQL) | 75 | |
| データベース | データベース汎用言語SQLの構造及び実装(INSERT、UPDATE、DELETE、CREATE、TABLE、主キー、外部キー)、JDBCによるデータベースアクセス | 55 | |
| Webプログラミング | 静的なWebサイトの構築、XHTMLタグ(table、form、link、img)、スタイルシートの活用、JavaScriptの埋め込み | 30 | |
| Webプログラミング応用 | ディレクティブ、宣言、スクリプトレット、JSP式・request、response、session、文字コード、サーブレットの役割(データの取得、リダイレクトとフォワード、一般クラスやJavaBeansの呼び出し)、JavaBeans(フォーム設計、メソッドの実装、DB接続)、MVC設計・動的なWebサイトのシステム構築 | 85 | |
| Webサイト構築演習 | データベースシステム連携、JSP、サーブレット、JavaBeans、SQLなどを駆使したプログラミング、独自の仕様書を読み解く・電子掲示板システム及びレストランWeb予約システムの構築 | 80 | |
| フレームワーク | フレームワーク(Struts)の概要・Strutsタグ(html:html、html:bean、html:logic)、ActionForm、Actionクラスの設計と実装・struts-config.xml(FormBeanの定義、Actionフォワード、例外)、ValidatorFormの設計と実装・フレームワークによるサイト構築 | 50 | |
| その他 | 職業人講話 | 6 | |
| 総訓練時間:607時間 | |||
主な取得可能資格
Oracle認定Javaプログラマ Bronze SE
Javaプログラミングの基礎知識を証明する資格です。未経験からIT業界を目指す場合、最低限この資格は取得しておくことをオススメします。
難易度
合格率は約60〜70%程度で、職業訓練でしっかり学習すれば合格可能なレベルです。
Oracle認定Javaプログラマ Silver SE
Javaプログラミングの実務レベルの知識を証明する資格です。Bronzeより難易度が高く、取得していると就職活動で有利になります。
難易度
合格率は約40〜50%程度で、訓練期間中の学習に加えて自主学習が必要です。
その他の資格
- Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック
- Javaプログラミング能力認定試験3級
※すべて任意受験
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主な就職先の業種、職種
業種
- ソフトウェア開発会社
- Web制作会社
- システム開発会社
- SES(客先常駐型のIT企業)
- 一般企業の情報システム部門
職種
- プログラマー
- Webアプリケーション開発者
- システムエンジニア(経験を積んだ後)
- Androidアプリ開発者
ポートフォリオ(作品集)の重要性
応募する際には、作品(ポートフォリオ)を求められることが多いです。どれだけ質の高いアプリケーションを職業訓練期間に作成できるかが大きなポイントとなります。
ポートフォリオに含めるべきもの
- GitHubのリポジトリ(ソースコードを公開)
- 作成したアプリの説明(何を作ったか、どんな技術を使ったか)
- 実際に動くアプリのデモ(可能であれば)
- 3〜5個程度のアプリ(質を重視、1個だけでは不十分)
ポートフォリオ作成のコツ
- 訓練で学んだ技術を全て使った総合的なアプリを1つ作る
- オリジナリティのあるアプリを作る(課題のコピーでは評価されない)
- コードにコメントを書き、読みやすくする
- READMEファイルで使用技術や機能を説明する
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給与と年齢制限
給与の目安
未経験からのスタート
- 年収250〜350万円(月給20〜28万円程度)
- SES(客先常駐)の場合:年収300〜380万円
経験3〜5年
- 年収400〜550万円
経験5年以上・スキル次第
- 年収500〜800万円以上も可能
※地域や企業規模により異なります。2026年1月時点の目安です。
年齢制限について
IT業界の年齢制限は以下のような傾向があります。
20代
未経験でも積極的に採用される。ポテンシャル採用が多く、訓練を受けただけでも就職のチャンスは十分にある。
30代前半
未経験でも可能だが、ポートフォリオのクオリティや学習意欲が重視される。20代より厳しくなるが、不可能ではない。
30代後半以降
未経験からの就職は非常に厳しい。実務経験がほぼ必須となる。ただし、Web系の自社開発企業やベンチャー企業では30代後半でも可能性がある場合もある。
実際に、プログラマーは男女とも20代、30代が9割弱とかなり多いのが現状です。(女性は5分の1程)
まとめ
今、企業ではJavaやC・C#・C++が主流です。職業訓練ではJavaを学びます。Javaを修得していれば、他の言語も短期間でマスターできるでしょう。
プログラミングを仕事にするには、個人の素質も重要ですが、それ以上に継続的な学習と実践が重要です。優秀なプログラマと標準的なプログラマとの仕事効率の差は10倍以上とも言われていますが、これは「学習量と経験の差」が大きな要因です。
職業訓練を最大限活かすためのポイント
- 訓練期間中にできるだけ多くのアプリを作成する
- 訓練時間外も自主学習を継続する(1日2〜3時間以上)
- GitHubでポートフォリオを公開する
- Oracle認定Javaプログラマ Bronze SE以上を取得する
- 年齢を考慮する(20代が有利になりやすく、30代以降は相当な努力が必要)
年齢的には20代が有利で、30代前半までなら可能性は十分にあります。30代後半以降での求人は実務経験者でなければ厳しいといえます。
Web を中心とした情報化に伴い、プログラマーの需要は今後益々増加していくと思われます。未経験からプログラマーを目指すなら、職業訓練をスタート地点として、継続的な学習と実践で着実にスキルアップしていくことが成功の鍵となります。
よくある質問
職業訓練でプログラミングを学んで就職できますか?
未経験から職業訓練だけでプログラマーに就職することは可能ですが、相当な努力が必要です。3〜4ヶ月の訓練では実務レベルに到達しないことが多く、訓練時間外も自主学習を継続する(1日2〜3時間以上)、ポートフォリオのクオリティを高める、資格を取得するなどの努力が必要です。20代であれば可能性は十分にありますが、30代以降は年齢が上がるほど厳しくなります。
プログラミングに素質は必要ですか?
プログラミングに特別な素質は必要ありません。重要なのは論理的思考力(これは訓練で鍛えられる)、問題解決への粘り強さ、継続的に学習できる習慣、エラーに挫けずに調べて解決する姿勢です。「優秀なプログラマと標準的なプログラマの差は10倍以上」と言われますが、これは生まれつきの素質ではなく、学習量と経験の差が大きな要因です。無料のプログラミング学習サイトで1〜2週間学習してみて「楽しい」と感じられれば、素質は十分にあります。
ポートフォリオはどのように作ればいいですか?
ポートフォリオには、GitHubのリポジトリ(ソースコードを公開)、作成したアプリの説明(何を作ったか、どんな技術を使ったか)、実際に動くアプリのデモ(可能であれば)、3〜5個程度のアプリ(質を重視)を含めます。訓練で学んだ技術を全て使った総合的なアプリを1つ作り、オリジナリティのあるアプリを作ることが重要です。課題のコピーでは評価されません。
取得すべき資格は何ですか?
未経験からIT業界を目指す場合、最低限Oracle認定Javaプログラマ Bronze SEは取得しておくことをオススメします。合格率は約60〜70%で、職業訓練でしっかり学習すれば合格可能です。さらにOracle認定Javaプログラマ Silver SEを取得していると就職活動で有利になります。ただし、資格だけでは不十分で、ポートフォリオのクオリティが就職の成否を分けます。
年齢制限はありますか?
IT業界では、20代は未経験でも積極的に採用されます。30代前半は未経験でも可能ですが、ポートフォリオのクオリティや学習意欲が重視され、20代より厳しくなります。30代後半以降は未経験からの就職は非常に厳しく、実務経験がほぼ必須となります。実際にプログラマーは20代、30代が9割弱を占めています。年齢が上がるほど、より高いスキルと強い学習意欲が求められます。
給与はどのくらいですか?
未経験からのスタートで年収250〜350万円(月給20〜28万円程度)が目安です。SES(客先常駐)の場合は年収300〜380万円程度です。経験3〜5年で年収400〜550万円、経験5年以上でスキル次第で年収500〜800万円以上も可能です。地域や企業規模により異なりますが、プログラマーは経験とスキルを積めば比較的高い給与を得られる職種です。
AndroidアプリとWebアプリ、どちらを学ぶべきですか?
どちらもJavaを基礎とするため、職業訓練では両方学べます。就職の観点では、Webアプリ開発の求人の方が多い傾向があります。ただし、Androidアプリ開発はスマートフォン向けの需要が高く、個人でもアプリを公開できるメリットがあります。訓練では両方学び、自分の興味や就職状況に応じて選択するのが良いでしょう。