職業訓練中にアルバイトをしてもよいのでしょうか?
結論から言えば、アルバイトをしても問題ありません。実際に職業訓練校に通いながらアルバイトをしている方も少なくありません。
ですが失業給付を受け取っていたり、職業訓練受講給付金(10万円)を受け取っている場合は注意が必要です。場合によっては失業給付が減額されたり、職業訓練受講給付金が不支給になる場合があります。
では、以下の2点について詳しく説明していきます。
1.失業給付(雇用保険)を受けながらアルバイトする場合
2.職業訓練受講給付金(求職者支援制度)を受けている場合
1.失業給付(雇用保険)を受けながらアルバイトする場合
まず大前提として、雇用保険に入らないことが条件です。
雇用保険に入るような働き方をしてしまうと、「就職した」とみなされてしまいます。
その場合は失業給付が受け取れないばかりか、職業訓練も退校しなければなりません。
※残日数によっては、再就職手当が受け取れる場合があります。
再就職手当について詳しく知りたい場合は以下のページにて確認してください。
週20時間以上の働き方には要注意
雇用保険に加入する条件としては、大きく2点です。
・週20時間以上勤務
・1ヶ月以上継続勤務
たとえば、1日4時間、週5日以上コンビニのアルバイトをするとしましょう。
特に期限を決めていない場合は、雇用保険に加入する必要がでてきます。
加入するのはお店側の義務です。
雇用保険についての詳しい内容については以下を参照してください。
次にそれ以外について説明します。
1日4時間以上アルバイトをした場合
たとえば、土日に8時間アルバイトをした場合などが該当します。
4時間以上なので、4時間のアルバイトも含まれます。
1日4時間以上アルバイトをした場合、その日の失業手当は支給されません。
ただ無くなるわけではなく、後ろにずれる形になります。
(例)10月15日で終了予定だったのが、10月16日に1日ずれる。
ただし職業訓練終了まで延長して失業給付を受けている方は要注意です。
延長分は当然受け取ることはできませんので、働いた日の失業給付は受け取れなくなります。
1日4時間未満のアルバイトをした場合
この内容が一番ややこしいケースです。
ハローワークでの説明や「受給資格者のしおり」には「内職又は手伝いをした日」と書かれています。
もちろん、その中にはアルバイトも含まれます。
この4時間未満というのは一番複雑です。
アルバイトをしても失業給付は支給されますが、ある一定額を超えてしまうと失業給付が減らされてしまいます。
具体的な計算方法は以下の通り
※基本手当日額とは、1日当たりの失業給付の額のことです。
※賃金日額とは受け取っている雇用保険受給資格者証の14欄に書かれている金額です。
失業給付の計算の元になる金額ことで、離職前過去6ヶ月の1日当たりの平均給与額(残業含む、ボーナス含まない)です。たとえば離職前の6ヶ月の平均月収が30万円だった場合、賃金日額は1万円になります。
(例1)失業給付受給中に以下の条件でアルバイトをした場合
・賃金日額:10,000円
・基本手当日額:5,687円
・控除額1,287円(平成29年8月1日以後)
・時給1,000円のバイトを1日3時間を3日間い9,000円の収入を得た場合
この場合の計算方法は以下になります。
この場合は減額分はマイナスになりますので、特に引かれることもありません。
(例2)失業給付受給中に以下の条件でアルバイトをした場合
・賃金日額:7,000円
・基本手当日額:4,999円
・控除額1,287円(平成29年8月1日以後)
・時給1,000円のバイトを1日3時間を2日間い6,000円の収入を得た場合
この場合の計算方法は以下になります。
この計算により減額分は1,112円になります。
それが2日分になりますので、合計で2,224円が失業給付から引かれることになります。
自分がどれくらいまでなら減額されずに働けるのか計算もできますし、よくわからない場合はハローワークに確認すればすぐに教えてくれます。
2.職業訓練受講給付金(求職者支援制度)を受けている場合
10万円の職業訓練受講給付金(求職者支援制度)を受けている方も注意が必要です。
職業訓練受講給付金を受け取る条件として、以下の要件に満たした人が対象だからです。
(1)本人収入が月8万円以下(※1)
(2)世帯全体の収入が月25万円以下(※1、2)
※1 「収入」とは、税引前の給与などの他、年金その他全般の収入を指します(一部算定対象外の収入もあります)。
※2 「世帯」とは、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当します。
給与明細等で交通費が別途支給されていれば、交通費分は収入とはみなされません。
支給単位期間と収入の考え方
アルバイトをした場合、当日に給与を受けることは日払い以外はないと思います。
その際気をつけなければならないのが、「いつ給与の支払いを受けたか」が重要です。
ここで大事になってくるのが「支給単位期間」という考え方です。
たとえば、5月14日開講、8月10日終了の3ヶ月コースがあったとします。
その場合の支給単位期間とは、
支給単位期間1:5/14~6/13
支給単位期間2:6/14~7/13
支給単位期間3:7/14~8/10
の3つに分けられます。開講日が支給単位期間の最初の日になります。
この支給単位期間毎に8万円もしくは25万円を超えていないかを判断します。
働いた日ではなく給与の支払日での判断になります。
以下の場合は入金日となる支給単位期間2が要件を超えていないかどうかです。
アルバイトをしても問題ありませんが、自分の収入が8万超えてしまったり、世帯全体の合算での収入が25万円を超えてしまうと、10万円の支給を受けることができなくなるばかりでなく交通費も支給されません。
せっかく苦労してアルバイトしても、逆に10万受け取れないとなればやる気さえも失ってしまいます。きちんと計算しながらギリギリにならないように注意しましょう。
ヤフーオークションやメルカリでの売買などは収入になるのか
ヤフーオークションやメルカリなどの売買して得た収入はどうなるのでしょうか?
その収入が一時的なものであれば収入には含まれません。
毎月毎月定期的に出品しているような場合は事業収入とみなされてしまいます。
アルバイトなどの収入があった場合は必ず認定日に申請しましょう。その際は給与明細や通帳が必要です。
申請せずに、後で密告などでわかった場合は、給付金全額返還に加えその2倍の額を返済しなければなりません。
まとめ
ここではアルバイトをする上での注意点を説明してきました。
職業訓練校の講義は1日6時間程度なので、訓練が終わった後の時間や土日を利用してアルバイトする方もいます。ですが実際は大変苦労しています。
訓練期間中も学校から課題も出されますし、予習復習も必要です。資格を取るための試験勉強もしなければなりません。ビル管理などは取る資格も多いですし、WEB系は自身の作品であるサイト作りの時間も必要です。
何より就職活動もしなければなりません。なるべく両立できるように心がけていきたいものです。