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ファイナンシャルプランナー(FP)の職業訓練は就職できない?難易度や月10万円の給付金を解説

2017年5月7日

ファイナンシャルプランナー(FP)は、お金のプロフェッショナルとして金融・保険・不動産業界で活躍できる資格です。職業訓練でこの資格取得を目指せるコースが不定期に開催されており、主に求職者支援訓練で実施されています。

この記事では、ファイナンシャルプランナーの職業訓練について、訓練内容、取得できる資格、就職先、そして実際の就職の可能性まで詳しく解説します。

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ファイナンシャルプランナーの職業訓練とは

ファイナンシャルプランナーの職業訓練は、2級FP技能検定の合格レベルを目指す3ヶ月程度のコースです。開催頻度は他の職業訓練と比べて少なめですが、不動産ビジネス関連の訓練コースの中でFPを学べるものもあります。

訓練の対象者

この訓練は以下のような方に適しています。

  • 金融・保険・不動産業界への就職を希望する方
  • 企業の総務部門など、資産管理・運用に関わる仕事を目指す方
  • 未経験から専門知識を身につけたい方

映像教材なども活用した講義形式のため、業界未経験の方でも安心して受講できる内容となっています。

訓練実施形態の違い

ファイナンシャルプランナーの職業訓練は、主に求職者支援訓練として実施されています。雇用保険を受給できない方が対象で、一定の要件を満たせば職業訓練受講給付金(月10万円+交通費)を受け取りながら受講できます。

公共職業訓練(離職者訓練)としての開催は少なめですが、地域によっては実施されることもあります。ハローワークで最新の開催情報を確認しましょう。

具体的な訓練内容

ファイナンシャルプランナー養成科の訓練は、学科と実技を組み合わせた実践的なカリキュラムです。以下は3ヶ月コースの標準的な内容です。

学科科目(合計218時間)

科目 科目の内容 時間
学科 行事等 開講式(1H)、オリエンテーション(2H)、修了式(1H) 4
就職支援 面接指導(1H)、履歴書の書き方(1H) 2
職業能力基礎講習 自己理解、職業意識、表現スキル、人間関係・対人スキル 24
ライフ・リタイアメントプランニングの概要 ライフプランの基礎知識、キャッシュフロー表とバランスシート、社会保障と社会保険の基礎知識、公的年金制度の概要、老後の資産形成 33
リスク管理の概要 リスク管理と保険制度、生命保険・損害保険の基礎知識、リスク回避プランニングの概要 27
金融資産運用の概要 金融資産の運用方法、株式投資、預貯金等、投資信託、債券、ポートフォリオ運用、セーフティネットと関連法規 33
タックスプランニングの概要 FP業務と税務知識、所得税、法人税、消費税、申告と納税、法人と所得の計算、益金と損金 33
不動産の概要 不動産取引の基礎知識、権利総論、不動産の鑑定評価、不動産関係の法令、不動産関係の税金 27
相続・事業承継の概要 相続の知識と計算、贈与税の基本的な仕組み、相続対策、事業承継対策 27
営業力の概論 個人情報の取扱い概要、営業プロセスとアプローチ概要、クレーム・トラブル対応の概要 6
安全衛生 安全衛生の必要性及び留意点(労働災害防止のための措置、健康管理) 2
実技 資産運用提案の実践演習 金融資産運用、相続・事業承継、リスク管理、タックスプランニング、ライフ・リタイアメントプランニング、不動産運用等のアドバイス演習 60
提案書の作成演習 ライフイベント表及びキャッシュフロー表の作成、提案書の作成及び説明 24
営業力講習 営業担当とは、営業プロセス・営業の仕組み、ラポールの形成、営業心理学、仮提案・質問とその技術、思い入れ営業のタイミング、クロージング話法 12
その他 職業人講話(3H×2) 6
訓練総時間:320時間

カリキュラムの特徴

このカリキュラムの特徴は、試験対策だけでなく実務演習が充実している点です。実際の顧客対応を想定した提案書作成や営業スキルの習得により、即戦力として活躍できる人材育成を目指しています。

特に金融機関や保険会社では、顧客へのライフプラン提案が重要な業務となるため、この実践的なカリキュラムは就職後にも役立ちます。

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取得可能な資格と合格率

国家資格:FP技能検定

職業訓練の主な目標は、2級FP技能検定の合格レベルです。FP技能検定は国家資格で、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2箇所で実施されています。

どちらで合格しても同じFP技能士の資格が取得でき、一度合格すれば有効期限はなく、更新も不要です。ただし実技試験の種類が異なるため、自分が目指す業界に合わせて受験先を選びましょう。

2級FP技能検定の合格率(日本FP協会)

試験時期 学科合格率 実技合格率
2023年5月 48.8% 58.6%
2023年9月 53.5% 52.0%
2024年1月 39.0% 61.1%
2024年5月 59.3% 54.9%
2024年9月 47.1% 56.5%
2025年1月 44.4% 48.8%
2025年4〜9月(CBT) 54.8% 69.7%

※上表のうち、2025年1月までは紙試験の結果、2025年4〜9月はCBT試験(期間集計)の結果です。試験方式が異なるため、単純比較ではなく「目安」として見てください。

2級FP技能検定の合格率は、学科がおおむね40〜50%台、実技が50〜60%台で推移しています。直近のCBT(2025年4〜9月)は、実技の合格率がやや高めです。決して簡単な試験ではありませんが、職業訓練で計画的に学習すれば、十分合格を目指せるレベルといえます。

3級FP技能検定の合格率(日本FP協会 CBT試験)

試験期間 学科合格率 実技合格率
2024年4〜9月 86.2% 85.8%
2024年10月〜2025年2月 85.4% 85.6%
2025年4〜9月 86.3% 85.4%

出典:日本FP協会

3級は現在CBT試験が主流となっており、合格率は85%前後と非常に高く安定しています。基礎知識を身につけるための入門資格として最適です。

民間資格:AFPとCFP

国家資格とは別に、日本FP協会が実施する民間資格「AFP」と「CFP」があります。こちらは毎年の更新が必要ですが、継続的な学習により専門性を維持できる仕組みです。

資格のレベルは以下の通りです。

  • AFP認定:2級FP技能士 + AFP認定研修の受講・修了
  • CFP認定:AFP認定者 + CFP資格試験6科目合格 + CFPエントリー研修 + 一定の実務経験等

CFP資格(上級資格)は27カ国・地域で認められた世界水準のFP資格であり、1級FP技能士レベルに相当します。

2025年4月時点の認定者数は以下の通りです。

  • AFP認定者:153,719人
  • CFP認定者:27,807人

ファイナンシャルプランナー

主な就職先と業種・職種

ファイナンシャルプランナーの資格を活かせる主な就職先は、以下の業種・職種です。

  • 金融機関:銀行、信用金庫などの窓口業務、資産運用相談
  • 保険業界:生命保険会社、損害保険会社の営業職・相談業務
  • 不動産業界:不動産会社の営業職、不動産投資アドバイザー
  • 一般企業:総務部門、経理部門での資産管理・運用業務

AFP・CFPの認定者は、金融・保険・不動産などの領域と親和性が高く、資格知識が業務に活きやすい分野で活躍している方が多いとされています。

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職業訓練からの就職は可能か?現実的な見通し

職業訓練でFP資格を取得すれば必ず就職できるかというと、残念ながら簡単ではありません。これは以下の理由によります。

業界の実情:資格は入社後に取得するケースが多い

金融・保険業界では、入社してから必要な資格を取得するケースが一般的です。つまり、資格があることよりも、営業適性やコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。

特に保険会社の営業職などは、未経験・無資格でも採用され、入社後の研修でFP資格取得を目指すパターンが多く見られます。

FPスキルが活きる業種は限定的

FPの専門知識が直接活かせるのは、金融・証券・保険・不動産といった特定の業種です。それ以外の業種では、資格が評価されにくい現実があります。

また、FP資格だけで独立開業するのは、現在の日本では非常に困難です。実務経験や人脈、マーケティング力などが必要となります。

職業訓練修了後の就職戦略

職業訓練でFP資格を取得した場合、以下のような就職戦略が現実的です。

  • 金融・保険業界の営業職を狙う:資格があることで面接時の印象が良くなる可能性があります
  • 不動産業界の事務職や営業サポート:実務経験を積みながらステップアップを目指す
  • 一般企業の総務・経理職:資格を付加価値として活用する

重要なのは、資格だけに頼らず、訓練で得た知識を実務でどう活かせるかを具体的に説明できることです。

自己投資としての価値

就職という観点では厳しい面もありますが、自分自身のライフプランニングには非常に役立つ知識です。

人生の三大資金(住宅・教育・老後)の計画、保険の見直し、資産運用の基礎など、実生活で活かせる知識を体系的に学べます。自己投資として考えれば、十分に価値のある訓練といえるでしょう。

まとめ

ファイナンシャル・プランニングとは、顧客のライフプラン(生活設計)上の目標を達成するために、以下の要素を総合的に分析し、長期的な資産設計を行うプロフェッショナルです。

  • 顧客の家族構成
  • 収支と支出の内容
  • 資産と負債
  • 保険等のデータ
  • 要望や希望、目標をヒアリング
  • 現状を分析(顧客の立場で考え)
  • 長期かつ総合的な視点

職業訓練でFP資格を取得することで、銀行、証券、保険、不動産といった業界への就職の道が開けます。ただし、実際に就職できるかは資格だけでなく、営業適性や実務経験も重要です。

多くの場合、就職してから必要な資格を取得するパターンが多いため、資格取得が必ずしも就職の決定打になるわけではありません。しかし、面接時のアピールポイントとして、また実務での知識の土台として、訓練で得た学びは確実に役立ちます

また、FP資格のみでの独立はほぼ困難ですが、自分自身や家族のライフプランを考える上では非常に有益な知識です。人生の各ステージで必要な資金計画を立てられるようになり、実生活での判断力が向上します。

職業訓練を受講するかどうかは、就職だけでなく、自己投資としての価値も含めて総合的に判断することをおすすめします。

よくある質問

ハローワークでファイナンシャルプランナーの職業訓練は探せますか?

はい、ハローワークの職業訓練検索システムで探すことができます。ただし、ファイナンシャルプランナーの訓練は開催頻度が少なめです。「ファイナンシャルプランナー」「FP」などのキーワードで検索するか、窓口で相談すると最新の開催情報が得られます。不動産ビジネス関連の訓練コースにFPが含まれていることもあるため、幅広く探してみましょう。

職業訓練でFP資格を取れば就職できますか?

資格取得だけで必ず就職できるわけではありません。金融・保険業界では入社後に資格を取得するケースが多く、採用時は営業適性やコミュニケーション能力が重視される傾向があります。ただし、資格があることで面接時の印象は良くなり、実務での知識の土台としても役立ちます。訓練で得た知識を実務でどう活かせるかを具体的に説明できることが重要です。

FP2級と3級、どちらを目指すべきですか?

職業訓練では通常2級FP技能検定の合格レベルを目指します。3級は基礎知識を学ぶ入門資格で合格率も85%前後と高いですが、就職活動でのアピール力は限定的です。一方、2級は実務レベルの知識が求められ、金融業界での評価は高くなります。未経験の方は3級から始めて2級を目指すのが一般的なルートです。

AFPとCFPは取得すべきですか?

AFP・CFPは日本FP協会が実施する民間資格で、毎年の更新が必要です。金融機関などで継続的にFP業務に携わる場合は、専門性の証明として取得する価値があります。特にCFPは世界水準の資格として評価されます。ただし、単に就職のためだけであれば、まずは国家資格の2級FP技能士の取得を優先し、就職後に必要に応じてAFP・CFPを検討するのが現実的です。

FP資格で独立開業は可能ですか?

現在の日本では、FP資格だけでの独立開業は非常に困難です。成功するには資格に加えて、実務経験、顧客ネットワーク、マーケティング力、他の専門資格(税理士、社会保険労務士など)との組み合わせが必要となります。まずは金融機関や保険会社で実務経験を積み、人脈を広げてから独立を検討するのが現実的なルートです。

FP資格は日常生活でも役立ちますか?

はい、非常に役立ちます。住宅購入、教育資金、老後資金といった人生の三大資金の計画、保険の見直し、資産運用の基礎、税金対策など、実生活で直面する様々なお金の問題について、体系的に理解し判断できるようになります。就職とは別に、自己投資として学ぶ価値は十分にあります。特に家計管理やライフプランニングに興味がある方には、実用的な知識が得られるでしょう。

職業訓練の受講中、給付金はもらえますか?

FPの職業訓練は主に求職者支援訓練として実施されています。雇用保険を受給できない方が対象で、一定の要件(世帯収入や出席率など)を満たせば、職業訓練受講給付金として月10万円と交通費を受け取りながら受講できます。雇用保険を受給中の方が公共職業訓練を受講する場合は、失業給付を受けながら訓練を受けることができます。詳細な要件はハローワークで確認しましょう。

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