「失業中に車の免許を取りたいけど、職業訓練で取れないかな?」。そう考えている方は多いのではないでしょうか。
残念ながら、職業訓練(公共職業訓練・求職者支援訓練)では普通自動車免許を取得するコースは原則ありませんが、まだ諦める必要はありません。教育訓練給付金(特定一般教育訓練)という別の制度を使えば、中型免許や大型免許、普通二種免許といった仕事に直結する免許を、受講費用の最大50%(上限25万円)の補助を受けて取得できます。
この記事では、職業訓練と運転免許の関係、教育訓練給付金で取得できる免許の種類と給付額の計算例、利用時の注意点、そして普通免許を少しでも安く取得する方法まで詳しく解説します。
■目次
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職業訓練で取得できる免許・できない免許
普通自動車免許は職業訓練の対象外
職業訓練では普通自動車免許(AT・MT問わず)を取得するコースは設けられていません。普通免許の取得には30万円前後の費用がかかりますが、職業訓練でカバーすることはできないのが現状です。
理由は、職業訓練が「特定の職業に就くための専門的な技能」を身につけることを目的としているためです。普通免許は就職に有利ですが、それだけでは特定の職種に直結しないという位置づけになっています。
職業訓練で取得できる免許・資格
普通免許は対象外ですが、以下のような重機系の免許・資格は職業訓練で取得できるコースがあります。
- フォークリフト運転技能講習
- 玉掛け技能講習
- クレーン運転士(移動式・天井など)
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- 高所作業車運転技能講習
- 車両系建設機械(ユンボなど)運転技能講習
これらは建設現場や工場、倉庫で需要が高く、取得すれば即戦力として評価されやすい資格です。なお、自動車整備士養成のコースも職業訓練にはありますが、これは整備士資格取得のためのもので、運転免許とは別物です。
ハローワークで普通免許取得の支援はあるのか
「ハローワークで普通免許の取得費用を出してもらえないか」という疑問を持つ方も多いでしょう。
現状、ハローワークが全国共通の制度として普通免許取得費用を直接補助する仕組みは一般的にはありません。ただし、地域や時期によっては、就職が内定している場合に限り免許取得費用の一部を支援する制度が実施されることがあります。これは自治体独自の施策であることが多いため、管轄のハローワークに確認してみる価値はあります。
特に、免許が必須条件となっている求人に応募する際には、相談員にその旨を伝えることで、何らかの支援策を紹介してもらえる可能性があります。
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教育訓練給付金で取得できる免許
職業訓練では普通免許は取れませんが、教育訓練給付金という別の制度を使えば、仕事に直結する自動車免許の取得費用を補助してもらえます。
教育訓練給付金とは
教育訓練給付金は、働く人の能力開発を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした国の制度です。職業訓練とは別の制度ですが、厚生労働大臣が指定した講座を受講した場合に、費用の一部が給付されます。
教育訓練給付金には3つの区分があります。2024年10月の改正により、給付率が拡充されています。
| 区分 | 給付率(最大) | 上限額(最大) |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講費用の20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 受講費用の40%(+10%) | 20万円(+5万円) |
| 専門実践教育訓練 | 受講費用の50%(+20% +10%) | 年間40万円(最大64万円) |
※カッコ内の数値や最大額は、資格取得・就職・賃金上昇などの追加給付要件を満たした場合です。
ドライバー系の免許は「特定一般教育訓練」に指定されることが多く、資格取得後に就職すれば最大で50%(上限25万円)が戻ってきます。
対象となる免許の種類
教育訓練給付金(特定一般教育訓練)の対象となる主な自動車免許は以下の通りです。
| 免許の種類 | 運転できる車両 | 主な就職先 |
|---|---|---|
| 準中型免許(第一種) | 車両総重量3.5t以上7.5t未満のトラック | 宅配業、引っ越し業 |
| 中型免許(第一種) | 車両総重量7.5t以上11t未満のトラック・マイクロバス | 運送業 |
| 中型免許(第二種) | 中型車両の営業運転 | 路線バス、コミュニティバス |
| 大型免許(第一種) | 車両総重量11t以上の大型トラック・ダンプカー | 長距離ドライバー |
| 大型免許(第二種) | 大型バス(観光・高速バスなど)の営業運転 | バス会社 |
| けん引免許 | トレーラー等のけん引 | 運送業、タンクローリー |
| 普通二種免許 | タクシー、ハイヤー、介護タクシー | タクシー会社 |
給付金額の計算例
特定一般教育訓練の場合、まずは修了時に40%が支給され、さらに資格取得して1年以内に被保険者として雇用されると10%が追加支給されます。
| 取得する免許 | 受講費用(例) | 修了時給付(40%) | 追加給付(10%) | 実質負担額 |
|---|---|---|---|---|
| 普通二種(タクシー等) | 250,000円 | 100,000円 | +25,000円 | 125,000円 |
| 大型一種(トラック等) | 350,000円 | 140,000円 | +35,000円 | 175,000円 |
| 大型二種(バス等) | 500,000円 | 200,000円(上限) | +50,000円 | 250,000円 |
受講費用の最大半額が戻ってくる計算になります。特にトラックドライバーやタクシー運転手への転職を考えている方にとっては大きな支援です。
教育訓練給付金を利用する際の注意点
受給資格の確認が必須
教育訓練給付金を受けるには、雇用保険の被保険者期間などの受給資格を満たす必要があります。
| 利用回数 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 初回利用 | 雇用保険に通算1年以上加入 |
| 2回目以降 | 前回の受給から3年以上経過 |
自分が対象かどうかは、ハローワークで事前に確認できます。受給資格がないまま受講してしまうと給付金を受け取れないため、必ず先に確認してください。
また、すでに離職している場合は、原則として離職日の翌日から1年以内(妊娠・出産等による延長措置あり)に受講を開始する必要があります。期間を過ぎると受給資格を失うため注意しましょう。
指定された教習所で受講する
教育訓練給付金が使えるのは、厚生労働大臣が指定した教育訓練施設(自動車教習所)のみです。すべての教習所が対象ではないため、受講を申し込む前に必ず確認しましょう。
指定教習所は、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」から検索できます。教習所に直接電話して「教育訓練給付金の対象コースですか?」と確認するのも確実です。
給付金は「後払い」
教育訓練給付金は、訓練修了後にハローワークへ申請することで支給されます。先に全額を自己負担で支払い、後から給付金が振り込まれる形です。
給付金の支給スケジュール(特定一般の例)
- 受講前:訓練前キャリアコンサルティングを受ける(必須)
- 受講中:費用の全額を自分で支払う
- 修了後:ハローワークに申請 →40%支給
- 就職後:資格取得して1年以内に雇用される → 10%追加支給
受講時には費用の全額を用意しておく必要があります。「後払い」という点を理解しておかないと資金繰りで困るので注意してください。
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普通免許を安く取得する方法
職業訓練でも教育訓練給付金でも、普通自動車免許は原則として対象外です。しかし、就職活動で普通免許がどうしても必要という方のために、少しでも安く取得する方法を紹介します。
合宿免許を利用する
合宿免許は、通学型の教習所よりも5万円〜10万円ほど安く免許を取得できることが多いです。短期集中で取得できるため、失業中で時間に余裕がある方には特におすすめです。ただし、2週間程度のまとまった時間が必要になります。
自治体の貸付制度を利用する
一部の自治体では、低所得世帯や求職中の方を対象に免許取得費用の貸付制度を設けている場合があります。無利子または低利子で借りられることが多いため、お住まいの自治体の社会福祉協議会に問い合わせてみる価値はあります。
まとめ:普通免許は対象外だが、仕事に直結する免許は支援制度がある
職業訓練では普通自動車免許を取得するコースはありません。しかし、フォークリフトや玉掛け、クレーンなど重機系の免許・資格であれば、職業訓練で取得できるコースが用意されています。
この記事のポイント
- 職業訓練で普通免許は取れない(特定の職種に直結しないため)
- 重機系の免許・資格(フォークリフト、クレーン等)は職業訓練で取得可能
- 教育訓練給付金(特定一般)で中型・大型・二種免許が対象
- 給付率は最大50%(基本40%+就職時10%)。上限は25万円
- 給付金は「後払い」。受講時には全額を自分で支払う必要がある
- 指定教習所でなければ給付金は使えない。事前に確認が必須
トラックドライバーやタクシー運転手への転職を考えている方には、教育訓練給付金の活用を強くおすすめします。受講費用の最大半額が戻ってくるため、通常より大幅に安く免許を取得できます。
まずはハローワークで受給資格を確認し、指定教習所を探すことから始めましょう。
よくある質問
職業訓練で普通免許が取れないのはなぜですか?
職業訓練は特定の職業に直結する専門的な技能を身につけることが目的です。普通免許は就職に有利ですが、それだけでは特定の職種に直結しないため対象外になっています。
ハローワークで免許取得の費用は出してもらえますか?
全国共通の制度としてはありません。ただし、地域や時期によっては就職が内定している場合に一部支援が受けられることがあります。自治体独自の施策であることが多いため、管轄のハローワークに確認してみてください。
教育訓練給付金はいつもらえますか?
訓練修了後にハローワークへ申請することで支給されます。先に全額を自己負担で支払い、後から給付金が振り込まれる「後払い」です。申請期限は修了日の翌日から1ヶ月以内です。振込までの期間はハローワークの処理状況により前後します。
普通二種免許を取るには普通免許が必要ですか?
はい、原則として普通免許取得後3年以上の経過が必要です。ただし、特別な教習(受験資格特例教習)を受けることで、19歳以上・経験1年から取得可能になる特例もあります。教習所によって対応が異なるため、事前に相談してください。
教育訓練給付金はどこの教習所でも使えますか?
使えません。厚生労働大臣が指定した教習所のみが対象です。受講前に厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で検索するか、教習所に直接問い合わせて確認してください。
失業保険をもらいながら教育訓練給付金も使えますか?
はい、失業保険を受給中でも受給資格を満たしていれば教育訓練給付金を利用できます。また、2025年4月の法改正により、自己都合退職で給付制限がある方でも、待機期間満了後にハローワークが指定する教育訓練等を自ら開始した場合、給付制限がかからず失業保険を受給できる場合があります。適用には条件があるため、必ず事前にハローワークで相談してください。
大型免許を取るには中型免許が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。普通免許を持っていれば直接大型免許に挑戦することも可能です。ただし、教習時間や費用、難易度が異なるため、教習所に相談して自分に合ったルートを選んでください。
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