職業訓練の役に立つ話

職業訓練でセクハラ・パワハラを受けたら?相談先と辞める判断基準

2017年5月19日

職業訓練に通いたいけれど、「セクハラやパワハラがあったらどうしよう」「講師から嫌がらせを受けたら我慢するしかないの?」と不安に感じていませんか。

職業訓練校では、残念ながら講師や受講生同士のトラブルとして、セクハラ・パワハラが起きたという相談が一定数報告されています。けれど、泣き寝入りする必要はありません。相談先と動き方を知っておけば、状況を止めたり、環境を変えたりして自分の身を守れます。

この記事では、職業訓練中に起こりうるセクハラ・パワハラの実態、具体的な相談先、対処方法、そして「訓練を続けるべきか辞めるべきか」の判断基準まで、実務的な視点から詳しく解説します。

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職業訓練校で起こるハラスメントの実態

職業訓練には、老若男女さまざまな人が集まります。ほとんどの受講生は真面目に授業を受け、就職という目標に向けて意欲を持って取り組んでいます。

しかし、一般の会社と同様に、どこにいても問題を起こす人はいるものです。受講生同士のトラブルもありますが、実は職業訓練校の校長や講師によるハラスメントが問題になることもあります。

特に「講師・校長」と「受講生」では立場が違うため、受講生側が声を上げにくく、我慢してしまいやすい点が厄介です。

受講生同士のハラスメント

受講生同士でも、以下のような問題行動が起こることがあります。

  • 特定の人につきまとう
  • 他の受講生に強く当たる
  • 授業中に騒ぎ出す
  • グループ内で特定の人を無視する

講師・校長によるハラスメント

より深刻になりやすいのは、講師や校長といった訓練校側の立場の人間によるハラスメントです。立場を利用したハラスメントは、受講生が「言ったら不利になるのでは」と不安になりやすい構造があります。

  • 講師が受講生につきまとう
  • 講師が受講生にパワハラを行う
  • 校長が受講生に不適切な接触をする

実際に、校長が受講生につきまとったという事例も報告されています。

セクハラの具体例と対処法

職業訓練校におけるセクハラは、受講生同士だけでなく、講師から受講生へのケースも発生しています。

講師によるセクハラの具体例

講師は受講生の個人情報を把握しているため、立場を利用したセクハラが発生しやすい環境にあります。

  • 講師が身体に不必要に触れる
  • 食事やデートに繰り返し誘う
  • 個人情報を利用して連絡先に直接連絡する
  • 断ると授業中に嫌がらせをする
  • 性的な冗談や発言を繰り返す
  • 特定の受講生を見つめ続ける、つきまとう

セクハラ

セクハラを受けた場合の対処法

多くの場合、受講生は訓練終了まで我慢してしまいがちですが、我慢する必要はありません。次の流れで動くと、状況を整理しやすくなります。

1. 記録を残す

いつ、どこで、誰に、何をされたか/何を言われたかを、日時とともに記録しておきましょう。可能であれば、メールやメッセージのやり取りも保存してください。証拠は後々重要になります。

2. 信頼できる人に相談する

一人で抱え込まず、以下のような人に相談しましょう。

  • 他の講師(信頼できる講師がいる場合)
  • 同じ訓練を受けている受講生
  • ハローワークの職業訓練担当窓口
  • 訓練校の運営元(民間訓練施設の場合)

ここでいう「運営元」とは、訓練校を運営している法人・会社や、委託元の担当窓口を指します(校内の相談窓口と別ルートになることがあります)。

3. ハローワークに相談・報告する

しつこいセクハラや、断った後の報復的な嫌がらせがある場合は、ハローワークに相談・報告しましょう。ハローワークは訓練校を委託・指定している立場なので、状況確認や指導につながる可能性があります。

相談時は「いつ・どこで・誰が・何をした(言った)」を、記録に沿って淡々と伝えると話が早いです。

4. 外部の相談窓口を利用する

以下のような外部の相談窓口も利用できます。

  • 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)
  • 法テラス(無料法律相談)
  • 警察(悪質な場合)

身の危険を感じる、つきまといがエスカレートしているなど緊急性が高い場合は、訓練のことより先に安全確保を優先してください。

なぜ講師はセクハラを繰り返すのか

こういう講師は、一度だけでなく繰り返す傾向があります。過去にも同様の行為をしている可能性が高く、あなたが声を上げることで次の被害者を防ぐことにもつながります。

講師にとって、セクハラ問題が表面化することは職を失うリスクにつながるため、最も避けたい事態です。そのため、適切に報告することで状況が改善される可能性があります。

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パワハラの具体例と対処法

講師から受講生に対してのパワハラは、セクハラ以上に多いケースです。

講師によるパワハラの具体例

  • 特定の受講生だけに高圧的な態度を取る
  • 「お前はもうだめだ」「生きている意味がない」など人格を否定する発言
  • 授業中に特定の受講生を執拗に批判する
  • 就職先を選ばず「どこでもいいから就職しろ」と強要する
  • 就職活動の進捗を必要以上に詰める
  • 他の受講生の前で恥をかかせる

パワハラ

なぜパワハラが起こるのか

職業訓練校は、就職率を上げなければなりません。就職率が低いと、国からの助成金が減額されたり、次回以降同じコースが開講できなくなる場合もあります。

そのため、訓練初日からなるべく早く就職するように伝えるのは一般的です。しかし、それが行き過ぎると、受講生の状況を考えず「どこでもいいから就職しろ」という態度になり、パワハラにつながります。

パワハラを受けた場合の対処法

1. 客観的な証拠を残す

パワハラの内容を日時とともに記録しておきましょう。可能であれば、以下のような証拠も残してください。

  • パワハラ発言の録音(スマホの録音機能など)
  • メールやメッセージのやり取り
  • 目撃者(他の受講生)の証言

2. ハローワークに相談する

セクハラと同様、ハローワークに相談・報告することが有効です。特に、就職先の強要や不当な評価に関するパワハラは、訓練の本来の目的から逸脱しているため、ハローワークが介入しやすい案件です。

3. 訓練校の運営元に直接相談する

民間の訓練施設の場合、運営会社に直接相談することもできます。運営会社は助成金を受けている立場なので、問題が表面化すると困るため、対応が進むことがあります。

4. 訓練の途中退校を検討する

心身の健康を害するレベルのパワハラの場合、無理に訓練を続ける必要はありません。ただし、途中退校すると失業保険の延長措置が打ち切られるなどのデメリットもあるため、ハローワークに相談した上で判断しましょう。

訓練を続けるべきか、辞めるべきか

ハラスメントを受けた場合、訓練を続けるべきか辞めるべきか、非常に悩むところです。以下の判断基準を参考にしてください。

訓練を続けた方が良いケース

  • ハローワークや運営元に相談し、状況が改善される見込みがある
  • 訓練修了まで残り期間が短い(1ヶ月以内など)
  • 資格取得が目前で、途中退校すると受験資格を失う
  • 他の受講生や講師のサポートが得られる
  • 心身の健康に深刻な影響が出ていない

訓練を辞めた方が良いケース

  • 心身の健康に深刻な影響が出ている(不眠、抑うつ状態など)
  • ハラスメントがエスカレートしており、改善の見込みがない
  • 訓練校やハローワークに相談しても対応が進まない
  • 身の危険を感じるレベルのハラスメント

途中退校のデメリットを理解する

訓練を途中で辞める場合、以下のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。

  • 失業保険の訓練延長給付が打ち切られる
  • 職業訓練受講給付金の支給が停止される
  • 次回の職業訓練申込が不利になる可能性がある
  • 訓練期間中に取得予定だった資格が取れなくなる

ただし、ハラスメントなどの「やむを得ない理由」と認められるかどうかで、その後の取り扱いが変わることがあります。自己判断で退校を決める前に、必ずハローワークへ事前相談してください。

また、心身の健康はお金や資格よりも優先されるべきです。我慢し続ける必要はありません。

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相談・報告する際のポイント

具体的に伝える

「なんとなく嫌な感じ」ではなく、「いつ、どこで、誰が、何を言った・した」を具体的に伝えましょう。日時や場所、発言内容を記録しておくことが重要です。

感情的にならず、事実を淡々と伝える

怒りや悲しみの感情は当然ですが、相談する際はできるだけ冷静に事実を伝えることで、相手も対応しやすくなります。

複数の相談先を確保する

一つの相談先で対応してくれない場合、他の相談先も検討しましょう。ハローワーク、訓練校の運営元、労働局、法テラスなど、複数の選択肢があります。

一人で抱え込まない

同じ訓練を受けている信頼できる受講生や、家族・友人にも相談しましょう。一人で抱え込むと、精神的に追い詰められてしまいます。

まとめ:我慢する必要はない

人と人とのいざこざはどこでも起こりえます。会社や地域でも同様に、職業訓練校でもそれは変わりません。

しかし、これは行き過ぎていると感じた場合は、我慢せずに何らかの対処をする必要があります。次の被害者が出る前に、勇気ある行動が必要かもしれません。

職業訓練は、あなたの将来のキャリアを築くための大切な機会です。ハラスメントによってその機会が損なわれることがあってはなりません。適切な相談先を知り、自分の身を守りながら、訓練を有意義なものにしてください。

よくある質問

Q1. セクハラやパワハラを相談すると、訓練校での評価が下がりますか?

A. 適切な相談先(ハローワークや労働局など)に相談した場合、正当な相談を理由に不利益を受ける扱いは本来認められません。むしろ、訓練校側が報復的な対応をすると問題が大きくなります。相談したことで不利になるのではと不安な場合は、相談内容・日時・担当者名もあわせて記録しておくと安心です。

Q2. ハラスメントの証拠がない場合でも相談できますか?

A. 証拠がなくても相談は可能です。ただし、客観的な証拠があると対応がスムーズになるため、可能な限り日時や内容をメモしておくことをおすすめします。証拠がない場合でも、複数の被害者がいる場合や、他の受講生の証言があれば、信憑性が高まります。

Q3. 訓練を途中で辞めた場合、失業保険はどうなりますか?

A. ハラスメントなどの「やむを得ない理由」と認められれば、基本手当の所定給付日数が残っている場合にかぎり、通常の求職活動に戻って受給できる可能性があります(ただし、訓練期間中のみ支給される訓練延長給付は原則終了します)。一方で、正当な理由なく自己都合で退校すると、退校した日以降の基本手当が支給されなくなるなどの厳しいペナルティがあるため、必ず事前にハローワークへ相談してください。

Q4. 講師のセクハラを他の受講生も受けている場合、どうすればいいですか?

A. 複数の被害者がいる場合、一緒に相談・報告することで信憑性が高まり、訓練校やハローワークも対応しやすくなります。可能であれば、被害を受けている受講生同士で情報を共有し、一緒にハローワークや運営元に相談することをおすすめします。

Q5. パワハラで就職先を強要された場合、どうすればいいですか?

A. 就職先の選択は受講生本人の自由であり、講師が強要することはできません。ハローワークに相談すれば、訓練校に対して指導が入る可能性があります。また、自分の希望に合わない就職先に無理に応募する必要はないので、ハローワークの職業相談窓口で改めて就職先を探すことも検討してください。

Q6. 訓練校の運営元に相談しても対応してくれない場合は?

A. 訓練校の運営元が対応しない場合、ハローワークや都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。これらの公的機関は訓練校を監督する立場にあるため、より強い対応を期待できます。悪質な場合は、警察や法テラスへの相談も検討しましょう。

Q7. 訓練修了後もハラスメントの被害を訴えることはできますか?

A. 訓練修了後でも、ハラスメントの被害を訴えることは可能です。特に、訓練期間中は報復を恐れて声を上げられなかった場合、修了後に相談・報告する方も少なくありません。証拠が残っていれば、ハローワークや労働局に相談してください。次の受講生を守るためにも、声を上げることは意味があります。

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