職業訓練コース一覧

保育士・保育者補助の職業訓練と保育士資格

2017年5月5日

保育士や児童保育関連職に就きたい方向けの職業訓練です。
職業訓練の場合、大きく2つの訓練に分かれています。

・保育士資格が取得できる2年コース(費用:年額10万円程)
・保育士補助の3ヶ月コース(無料)

保育士資格が取得できる2年コースは毎年4月に開講されます。
保育士補助の訓練は不定期に開催されます。

保育士を今後目指したい方は2年コースがオススメです。しかし開講時期が4月であり、さらに雇用保険受給資格を満たしている必要があります。(注意:失業給付の残日数の問題もあり)

3ヶ月コースについては公共職業訓練、求職者支援訓練ともに不定期で開講されています。3ヶ月学ぶだけなので保育士資格は取得できませんが、当然保育士資格の勉強もするため、将来的に目指される方には役に立つコースです。

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保育士と介護福祉士。職業訓練で資格をとるなら500万円以上も得になります

 

訓練内容

コース例.保育士養成(2年コース)

厚生労働大臣指定の保育士養成施設において、保育士の資格取得を目指す2年間の訓練を行います。

◆応募資格
2年間の訓練を受講することができる高校卒業以上の方で、公共職業安定所長の受講指示・受講推薦又は支援指示を受けることができ、訓練終了後に保育関連の職種へ就職を希望される方

訓練期間 2年間(4月開講)
訓練内容 ◆保育士の資格取得のためのカリキュラムとなります。
(2年間で1,845時間以上、内実習240時間以上)
◆カリキュラム(例)
【講義・演習】
保育原理、教育原理、児童家庭福祉、社会福祉相談援助、社会的養護、保育者論、保育の心理学Ⅰ・Ⅱ、子供の保健Ⅰ・Ⅱ、子供の食と栄養家庭支援論、保育課程論、保育内容総論、保育内容演習、乳児保育、障害児保育、社会的養護内容保育相談支援、保育の表現技術、保育実践演習、教養科目、その他の科目
【実習】
保育園実習、施設実習等々
資格取得目標 ■保育士(国家資格)
厚生労働大臣指定保育士養成課程を履修していただくため、訓練修了と同時に国家資格免除で保育士の資格が取得できます。
就職先 保育所、託児所、障害児施設、児童養護施設、母子支援施設等

コース例.保育者養成科(3ヶ月コース)

子供と関わる保育現場に必要な最新情報・専門知識・保育技能・指導力・職業倫理・人間力を備え、職場の即戦力となる保育者としての業務ができる。児童福祉施設等で働く保育者として必要な知識について、保育士国家試験に基づいた科目群の実技対策、保育実践の応用を学ぶ。
※保育士資格の取得はできません。

科目 科目の内容
学科 安全衛生 保育作業と安全衛生
保育各論Ⅰ 栄養の基礎知識、子どもの発育と栄養、子どもの健康と保険、精神疾患・発達、母子保健、感染症、保健衛生施策、事故・疾病の処置、子どもの臨床統計、保育の発達心理学、諸外国と日本の教育史と制度、教育原理、保育の心理学
保育各論Ⅱ 児童家庭福祉、児童福祉の法律、児童福祉施策の課題、社会福祉とその対象、障害児保育、発達障害、専門職員制度、社会的養護、保育実習理論、保育者保育指針、妊娠・授乳期・乳児・学童期及び児童福祉施設等での食生活、食生活のアドバイス
保育現場の実際 保育所・放課後学童ルーム・児童福祉施設の理解、保育メニューの展開・実践、発達過程と子どもの自然環境、保育連絡帳の活用実践、保育指導案の計画・作成、母子生活支援の実践、保育所保育指針の活用、保育現場の安全衛生管理等
就職支援 職務経歴書、履歴書の書き方指導、ジョブ・カード作成の指導、面接の受け方指導等
ヘルスケアフードアドバイザー講習 健康食品の知識、説明の基礎、説明の仕方、サプリメント健康食品学
クッキングコーディネーター講習 ハーブ・薬膳の基礎から活用、献立の活用、クッキングに関する基礎知識の伝え方、調理商品知識
実技 保育演習活動実習・遊戯技術 音楽表現技術、楽器、伴奏、情操音楽、絵本・紙芝居の活用、子どもの年齢や季節に応じた遊戯の選択
保育演習活動実習・表現 弾き歌い・リズム歌唱指導、リトミック、音あそび、わらべうた、創作あそび、手あそび、子どもの特性に応じた表現方法
保育演習活動実習・造形展開 工作、折り紙、幼児製作、お絵かき、色遊び、グループ遊び、絵画、造形技術、リズム制作、メロディー造形
保育演習活動実習・食育 色見本等を用いた食を通じて生きる力を育む指導、ベビーフード等の取扱い、行事食の提案、簡単なおやつ作り、離乳食の提供方法、フードモデルの活用
その他 職業人講話
訓練総時間:約320時間

保育士資格について

保育士受験資格

保育士試験の受験資格には「最終学歴」が関わってきます。

学校教育法に基づいた大学・短大・専門学校(2年制以上)を卒業していれば受験資格があります(保育士と関係の無い学部・学科でも受験資格が得られる)。また在学中の方や大学を中退した方も条件を満たせば受験資格を得ることができます。

※保育士2年コースの場合は上記学校教育法に基づいた学校に該当します。

また平成3年3月31日以前に高等学校を卒業した方も受験資格を有することになります。
上記に当てはまらない方は児童福祉施設での勤務経験が受験資格の条件となります。

※高等学校卒であれば2年以上かつ2880時間以上、中学校卒であれば5年以上かつ7200時間以上の実務が必要。

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保育士試験

保育士試験は年に1回、1次試験の筆記試験と2次試験の実技試験(筆記試験合格者のみ)がある。

【筆記試験】

■試験内容:社会福祉、児童家庭福祉、保育の心理学、子どもの保険、こどもの食と栄養、保育原理、教育原理、社会的養護、保育実習理論。

「保育士試験は科目別の合格制をとっており、各科目とも6割以上得点すれば合格となる。一度合格した科目は翌々年までの3年間有効。ただし教育原理と社会的養護は同一年に両方合格しなくてはならない(片方だけを翌年以降に持ち越すことはできない)既に合格している科目でも再受験が認められており、合格すればその年から更に3年間有効。」

【実技試験】

■筆記試験に合格した人のみ実技試験の受験が可能。

1.音楽表現に関する技術
2.造形表現に関する技術
3.言語表現に関する技術の3分野から2分野を選択肢、両分野とも6割以上の得点で合格

「合格してもその時点で保育士として勤務できるわけではなく、登録事務処理センターを通じて各都道府県知事への登録が完了し知事から保育士証の交付を受けて初めて保育士の名称を用いて勤務することができる。」

保育士資格合格率

保育士試験の合格率は、ここ5年間で20%前後を推移しています。
決して易しくない試験と言えます。

受験者数 合格者数 合格率
2017年(平成29年) 62,555名 13,511名 21.6%
2018年(平成30年) 68,388名 13,500名 19.7%
2019年(令和元年) 77,076名 18,330名 23.8%
2020年(令和2年) 44,914名 10,890名 24.2%
2021年(令和3年) 83,175名 16,660名 20.0%

主の就職先の業種、職種

保育園、児童養護施設、学童保育、知的障害児施設等

子どもの数は少なくなっているのに、未だに待機児童問題は解決していません。
それは用地不足や保育士不足が原因となっています。

今は深刻な保育士不足です。そこには過酷な労働状況と低すぎる給与の問題があります。労働と釣り合わない安すぎる月給、保護者との接し方の難しさ、保育現場が”女性の職場”であること等が原因です。

保育士の平均給与は2021年時点で年収約370万円、月額25万円(手取り20万前後)程となっています。

保育士は国に認められた国家資格であり専門職です。

政府は保育士確保に向けて2015年より処遇改善に努めてきました。2022年「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」によって、2022年2月から1ヶ月あたり約9,000円のアップを実施しました。必要な金額を国が補助していく施策です。

 

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